「住宅ローンは何歳までに完済しなくてはいけませんか?何歳まで組めますか?」
住宅ローン利用の平均年齢は年々上昇傾向にあります(後述)
住宅ローンを組む方にとって、組み始める年齢と、完済する年齢は気になりますよね。
一般的には70歳まで申込でき、80歳までに完済すればOKです。
しかしながら、ローンを組む年齢が高くなればなるほど、”65歳以降のローン返済”に注意しなくてはなりません。
この記事では、住宅ローンは何歳までに完済すべきかの目安と、住宅ローンを長く組むことのメリット、65歳以降に完済させる際の返済プランについて解説していきます。
特に、40歳以降に住宅ローンを組もうと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
この記事で分かること!
- 住宅ローンは何歳まで組めるか
- 住宅ローンを組む平均年齢、平均返済期間
- 65歳以降の返済プランの考え方
- 住宅ローンを組む際の注意点
住宅ローン完済の平均年齢は79歳
住宅ローン完済の平均年齢は約79歳です。
これは、以下の2つのデータから算出した概算値になります。
①住宅ローン利用の平均年齢(44.3歳)
②フラット35の返済期間は30〜35年が多い
この2つのデータを踏まえると、住宅ローンを平均44歳前後で借り始め、35年間返済を続けるというケースが多いことがわかります。
単純に計算すると、完済時の年齢はおよそ79歳となり、70代後半まで住宅ローンの返済が続くことになります。
住宅ローン利用の平均年齢は44.3歳
住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査」(2023年度)によると、住宅ローン利用の平均年齢は44.3歳です。

※住宅ローン利用の平均年齢は、10年前の39.6歳(2013年度)から比べると4.7歳も上昇しています。
フラット35利用者の多くが30〜35年ローンを組んでいる
フラット35を利用する人は30〜35年の返済期間が最も多い(全体の48.6%)という結果です。

住宅ローンは70歳まで申込ができ、80歳までに完済する必要がある
一般的に住宅ローンは、
- 70歳まで申し込みできる
- 80歳までに完済すればOK
※住宅ローンの期間が35年を超える場合は35年が上限
という年齢制限が金融機関ごとに設けられています。
具体的には、以下のように銀行ごとに多少違います。

住宅ローンを長く組むことの2つのメリット
住宅ローンを組む際に、返済期間を長くすることのメリットは主に2つです。
- 返済期間を長くした方が毎月の返済額が少なくなる
- 低金利時には返済期間を長くしても返済総額があまり増えない
それぞれ見ていきましょう。
フラット35固定金利(返済期間21年〜35年):2025年6月現在
最低:1.890% /最高:4.010%
返済期間を長くした方が毎月の返済額が少なくなる
1つ目のメリットは、長期間で住宅ローンを組んだほうが毎月の返済額が少なくなることです。
以下の表は、3000万円を借り入れた場合の毎月返済額と返済総額です。(ローン金利は固定金利)

同じ1.89%の金利であれば返済期間を35年にしたほうが、25年とするよりも毎月の返済額が、9.8万円となり12.6万円よりも2万8千円安くなります。
低金利時には返済期間を長くしても返済総額があまり増えない
2つ目のメリットは、低金利時には返済期間を長くしても返済総額があまり増えないことです。
以下表は、3000万円を借り入れた場合のローン金利別、毎月返済額と返済総額です。(ローン金利は固定金利)

低金利の1.89%で借りたときの返済期間25年と35年の返済総額の差は337万となり、4.09%で借りた時の返済期間の差の852万円よりも少なくなります。
以上2つのメリットから、低金利時代においては、住宅ローンは返済期間を長くした方がメリットが大きいと言えます。
住宅ローンを完済させる際のポイント
住宅ローンを完済させる際のポイントは2つあります。
- 65歳までに完済させる
- 65歳までに完済できない場合は資金計画をしっかり立てる
2つのポイントが大切な理由についてそれぞれ解説していきます。
65歳までに完済させるのが理想
住宅ローンは65歳までに完済させるのが理想です。
なぜなら、定年退職を迎えるタイミングまでにローンを終わらせておけば、老後の生活資金に余裕を持たせることができるからです。
また、多くの方は、定年後は年金収入が主な収入源となり、現役時代と比べて収入が大きく減少します。
その状況で住宅ローンの返済が続くと、生活費や医療費、介護費用といった老後の支出を圧迫してしまうリスクがあります。
そのため、住宅ローンを組む際は「65歳までに完済する」ことを一つの目安として、返済期間や借入額を計画的に設定することが重要です。
65歳までに完済できない場合は事前に資金計画を立てる
65歳までに完済できず65歳以降も住宅ローンが残る場合には、事前にしっかりとした資金計画を立てておくことが欠かせません。
たとえば以下のような点を確認しておくことが大切です。
- 退職金での一括返済を視野に入れるのか
- 年金から毎月返済可能な金額はいくらか
- 老後資金(生活費・医療費・介護費など)をどれだけ確保できるか
- 団体信用生命保険(団信)の保障内容を確認する(万が一のときにローンがどうなるか)
- 繰上げ返済の余地があるかどうか
また、近年では定年後も働き続ける人も増えていますが、健康状態や雇用条件によっては収入が安定しないこともあります。
最悪のケースを想定した資金計画も作っておきましょう。
無理のない返済計画を立てつつ、将来の不確実性にも備えることで、65歳以降の住宅ローン返済を無理なく乗り切ることができます。
65歳以降に完済させる際の5つの返済プラン
特に40歳以上の人が、35年間の住宅ローンを組んだ場合の問題となるのが、65歳以降の返済をどうするか?ということです。
65歳までは働いて収入で返済することができますが、65歳以降は収入がなくなります。
これに関しては5つの選択肢があります。
- 年金で返済する
- 働いて返済する
- 資産運用の利益で返済する
- 65歳時に貯金や退職金などで一括返済する
- 65歳時に住宅を売却して一括返済する
一つずつ見ていきましょう。
年金で返済する
年金収入で65歳以降の住宅ローンの返済をしていきます。
年金収入の多い方は年金収入を住宅ローンの返済に充てても生活費を捻出することができます。
年金収入の平均
- 男性:166,606円
- 女性:107,200円
出典:厚生労働省年金局「厚生年金保険・国民年金事業の概況」(令和5年12月)
※共働きの夫婦世帯では、上記の平均額より多くなる可能性があります。
※自営業者や専業主婦(主夫)の世帯では、少なくなる可能性があります。
働いて返済する
65歳以降も働けば、その収入で住宅ローンの返済をしていくことが可能となります。
実際には多くの高齢者が働いています。
労働力調査(2024年)によると以下の通りです。
- 高齢者全体の就業率:25.7%
- 65歳~69歳の就業率:53.6%
※もちろん、これらの方全員が住宅ローンの返済の目的だけで働いているわけではありません。
資産運用の利益で返済する
資産運用でお金を増やし、増やした利益で住宅ローンの返済をします。
預貯金や退職金などまとまったお金があれば、資産運用でお金を増やしたいものです。
そうすれば、資産運用による利益で住宅ローンの返済をすることが可能です。
もちろん資産運用にはリスクがあり、確実に利益を出すことができるかはわかりません。
しかしながら、正しい知識があれば、資産運用でお金を増やすことは難しいことではありません。
ぜひ、資産運用の知識をつけてお金を増やすことを考えましょう。
※資産運用には正しい知識が必要ですので、勉強したり専門家(FPなど)に相談してみましょう
65歳時に貯金や退職金などで一括返済する
65歳時に貯金や退職金などで住宅ローンの残りを一括返済します。
その後のローン支払いが完全に無くなるため、老後の生活が安定します。
65歳時に住宅を売却して一括返済する
65歳時に住宅を売却し、その売却代金を返済に充てることで一括返済します。
65歳で退職とともに、
- 実家に帰る
- 住む環境を変える
を考えていれば問題ありませんが、当然その家に住み続けることはできません。
売却代金で一括返済をするときには、
「売却代金がローンの残高を上回る」
となっていることが大前提なので、価値の下がらないような物件であることも重要になってきます。
まとめ
住宅ローンを組む年齢が年々上昇しています。
ローンを組む年齢が高くなると65歳以降もローンが残り、ますます資金計画が重要となってきます。
住宅購入のときには、物件選びや設備・内装などの検討が中心となってしまい、資金計画や住宅ローンは後回しになってしまいがちですが、しっかり考えていくことが重要です。
住宅ローンの返済計画や資金計画については、ぜひFPなどの専門家へ相談することをおすすめします。
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