最近のニュースを見ていると、物価の上昇が気になったり、老後の生活に不安を感じたりすることも多いのではないでしょうか。
実は、貯金ばかりの資産形成には、思わぬ落とし穴が潜んでいます。
インフレによってお金の価値が目減りしたり、自己投資の機会を逃したりと、将来「もっと違うやり方があったのに…」と後悔することになりかねません。
この記事では、将来後悔しないためのお金の付き合い方を解説していきます。
貯金ばかりでは将来後悔してしまう!3つの要因
安全性を求めると、つい貯金ばかりしてしまいがちです。実はこれが将来の大きな後悔につながる可能性があります。
その主な要因は次の3つです。
- インフレに対応できず、貯金額の価値が減少する
- 自己投資の機会損失
- 貯金だけではお金が増えない
インフレに対応できず、貯金額の価値が減少する
貯金額の実質的な価値は、年々目減りしていくのをご存知でしょうか。この現象は「インフレ」と呼ばれ、私たちの資産に大きな影響を与えています。
近年の日本では、食品や日用品の価格が次々と値上がりしています。
例えば、2022年から2024年にかけて、多くの食品メーカーが平均10%以上の値上げを実施しました。これは、同じ1万円でも買える商品の量が徐々に減っていくことを意味しています。
直近では2024年10月にも一部の商品が値上がりしました。
- アサヒ飲料(「三ツ矢」「カルピス」「おいしい水」など)…約4〜23%
- 伊藤ハム(「朝のフレッシュロースハム」など)…約3〜20%
- エスビー食品(「ラー油」「まぜるだけのスパゲッティソース 生風味たらこ」など)…約10〜21%
自己投資の機会損失
貯金ばかりしていると、自分自身への投資機会を逃してしまう可能性があります。
例えば、30歳で50万円かけて資格を取得し、月収が3万円アップしたとすれば、35年間で約1,260万円の収入増加が見込めます。
また、趣味への投資も大切です。若いうちから趣味を育てることで、充実した老後生活を送れる可能性が高まります。
反対に貯金ばかりだと、老後になって「もっと若いうちにいろいろなことにチャレンジしておけば良かった」と後悔するかもしれません。
貯金だけではお金が増えない
お金を預金口座に預けているだけでは、残念ながら資産はほとんど増えません。
これは、銀行の預金金利が低水準にあるためです。2024年7月以降に若干上昇しましたが、それでも年利0.1%程度にとどまっています。(参照:三菱UFJ銀行|円預金金利)
100万円を1年間預けても利息はわずか100円(税引き前)です。
では、貯金以外にどのような方法で資産を守り、増やしていけばよいのでしょうか。次章では、その方法について紹介していきます。
貯金ばかりで後悔しないためには
貯金ばかりで後悔しないために、具体的に何をすればよいのでしょうか。
賢い貯金と資産運用には2つのポイントがあります。
1つ目は適切な貯金の割合を知ること、そして2つ目は資産運用や投資を始めることです。
お金を使う目的と最適な貯金の割合を計算する
最適な貯金の割合を知るには、自分のライフプランに合わせた目標から設定するといいでしょう。
まずは人生の重要なイベントを時系列で整理してみます。
- 結婚(平均300〜500万円)
- マイホーム購入(頭金として600〜900万円)
- お子さんの教育費(幼稚園から大学まで約1,000万円)
- 老後の資金(約2,000万円)
大切なのは「なんのために、いつまでに、いくら必要か」を明確にし、そこから逆算して月々の貯蓄額を設定することです。
資産運用や投資を始める
将来の目標に向けた貯金額を設定したら、次は資産運用や投資の検討をしてみましょう。
投資初心者に特におすすめなのが「つみたてNISA」です。この制度なら、毎月1万円からコツコツと始められ、しかも得られた収益には税金がかかりません。「iDeCo(個人型確定拠出年金)」なら将来の年金対策にも備えられます。
もちろん、すべてを一度に始める必要はありません。まずは、ご自身の生活に無理のない範囲で始めてみましょう。
貯金ばかりで後悔しないために!投資の正しい始め方
投資は次の3つのステップから誰でも簡単に始められます。
- ステップ1:最低限のお金の知識をつける
- ステップ2:目標を決め、投資の種類を決める
- ステップ3:実際に投資を始める
ステップを追って順番に解説していきましょう。
ステップ1:最低限のお金の知識をつける
最低限のお金の知識があれば、リスクを抑えながら資産運用を始めることは十分可能です。
では、どのような知識が必要なのでしょうか。投資を始める前に押さえておきたい基礎知識には、以下のようなものがあります。
- リスクとリターンの関係
- 複利効果の仕組み
- 分散投資の考え方
- インフレーションの影響
- 投資信託の仕組み
など
お金の基礎知識は、書籍やセミナー、FPへの相談などで学べます。最初は難しく感じるかもしれませんが、少しずつ理解を深めていけば大丈夫です。
ステップ2:目標を決め、投資の種類を決める
投資を始める前に具体的な目標を設定しましょう。
例えば、20年後の退職までに2,000万円を目指すなら、月々の投資額や必要なリターン、それに合わせた投資方法も見えてきます。
資産形成を長期で考えるなら株式中心の「投資信託」、短期なら「債券」中心の運用というように。
ここで大切なのは、自分の性格や状況に合った投資を選ぶこと。
株価が下がったときに慌てて解約せずに待てる性格か、月々の投資額は無理なく続けられる金額か、といった点もしっかり考えましょう。
ステップ3:実際に投資を始める
いよいよ最後のステップです。
お金の知識を身につけ、投資の計画も立てたものの、なかなか最初の一歩を踏み出せない方は少なくありません。しかし、ずっと準備だけで終わってしまうと、結局は貯金ばかりの状態が続いてしまいます。
もし不安や迷いがある方は、FPやIFAに相談するのをおすすめします。
大切なのは、小さな一歩でもまずは始めてみること。それが将来の資産形成への確かな一歩になるのです。
まとめ
貯金ばかりに頼っていると、将来「もっと違う選択肢があったのに」と後悔することになりかねません。
大切なのは、「貯金か投資か」ではなく、「貯金も投資も」という考え方です。
本記事で紹介したように、お金の基礎知識を身につけ、自分に合った投資計画を立て、少しずつ実践していくことで、誰でもバランスの取れた資産形成を始められます。
まずは、ご自身のペースで投資を始めてみてはいかがでしょうか。
将来の自分から「あの時、一歩を踏み出して本当に良かった」と思えるように、今日から新しい資産形成の第一歩を踏み出してみましょう。
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