ニュースで「円高傾向です」とか「円安で生活に悪影響」など目にしたことはありませんか?
円高と円安って私達にとってどっちがいいか気になる方も多いかもしれません。
また、円高・円安は、慣れない方にとっては少しイメージしにくかったりもします。
実は円高・円安は生活に身近であり、大きな影響があります。
本記事では、円安と円高どっちが良いかをパターン別に見ていき、どう備えていくべきかを解説します。
この記事で分かること!
- 円高円安どっちが良いかをパターン別で解説
- 今後は円高円安どっちに動く?
- 円高円安に備えるために今できること
【基礎知識】円高円安はどっちがいい?
円高がいいのか、円安がいいのか、どちらがいいのかと思われる方も多いのではないかと思いますが、実は、円高と円安は普遍的に”こっちがいい”というものではありません。
こういう場合は円安がいい、このシチュエーションでは円安が有利、など様々なのです。
円高円安とは
『円安』はドルに対して円の価値が下がることを指します。
『円高』はドルに対して円の価値が上がることを指します。
円高円安のイメージ図
円高円安の簡単な覚え方
1ドル『○○円』
○○円の数字が下がったら円高
○○円の数字が上がったら円安
円高円安は、”どっちがいい”というものではない
円高円安は、どっちがいいというものではありません。
なぜなら、「円高がいい」「円安が悪い」といった単純な評価はできず、状況や立場によってメリット・デメリットが変わるからです。
たとえば:
- 円高
→ 輸入企業や海外旅行者にはメリット(海外製品が安く買える)
→ 輸出企業にはデメリット(製品が相対的に高くなり、売れにくくなる) - 円安
→ 輸出企業にはメリット(価格競争力が増す)
→ 輸入企業や消費者にはデメリット(輸入品の価格上昇、物価高)
つまり、「誰にとっての円高・円安なのか」を明確にすることが重要です。
そのため、円高円安がどちらがいいのかというものではないということです。
円高のメリットデメリット
円高のメリットデメリットは立場や状況によって変わってきますが、私たちの生活に身近な例で解説していきます。
円高のメリット
円高のメリットは、
- 日常生活でモノが安く買える
- 海外旅行を安く楽しめる
といった点が挙げられます。
日常生活でモノが安く買える
私たちが日常生活をするうえでは、円高のほうが良い影響を受けます。
なぜなら、円高になるとモノの値段が下がりやすいからです。
例えば、海外から輸入して国内で売っているモノ(海外製品)の輸入コストが安くなるため、値段が下がります。
それにつれて、国内のモノ(国内製品)の値段も下がりやすくなります。
海外旅行を安く楽しめる
海外旅行が趣味の人は、円高の方が良い影響を受けます。
なぜなら円高の時は、安く海外旅行が楽しめるからです。
例えば、ハワイ旅行の際、空港でドルに両替したとします。
円高だと、同じ円でもたくさんのドルと交換できます。
補足説明:輸入会社は利益が出やすい
輸入会社に勤めている場合、円高は良い影響を与えます。
円高の場合、輸入会社は輸入コストが下がり、利益がでやすくなります。
円高のデメリット
円高のデメリットは、海外資産の価値が下がるという点があげられます。
海外資産の価値が下がる
海外資産を保有している個人や企業にとってはデメリットとなります。
なぜなら、円高になると、外貨建て資産の円換算額が目減りするからです。
たとえば:
- 1ドル = 150円のときに1万ドルの資産を保有していた場合、円換算で150万円
- それが1ドル = 100円になれば、同じ1万ドルでも100万円にしかならない
つまり、為替差損が生じてしまいます。
補足説明:海外で日本製品が売れづらくなる
円高になると、日本製品の価格は相対的に“高く”なり、海外で日本製品が売れにくくなる傾向があります。
たとえば、1ドル=150円のとき、日本で100万円の製品は約6,667ドル。
円高が進み1ドル=100円になると、同じ100万円の製品が1万ドルになります。
つまり、ドル建ての価格が上がる=海外の消費者から見ると高くなるため、販売競争力が落ちてしまいます。
円安のメリットデメリット
こちらも円高と同じように、円安のメリットデメリットは立場や状況によって変わってきます。
同様に、私たちの生活に身近な例で解説していきます。
円安のメリット
円安のメリットは、資産運用をしている人は利益が出やすいという点が挙げられます。
資産運用の利益が出やすい
資産運用をしている人は、円安の方が良い影響を受けます。
なぜなら、海外の株などに投資をしている場合、円安になると為替で利益がでるからです。
また、国内の大企業は輸出企業が多いため、円安の方が利益が出やすい傾向にあります。
それに伴って、日経平均株価も円安の方が上がっていきやすいです。
補足説明:輸出会社は利益が出やすい
輸出会社に勤めている場合、円安は良い影響を与えます。
円安の場合、輸出会社は海外でモノが安く売れるため、利益が出やすくなります。
円安のデメリット
円安のデメリットは、
- 輸入品が高くなる
- 海外旅行が高くなる
などといった点があげられます。
輸入品が高くなる
日常生活をするうえでは、円安はデメリットに働くことが多いです。
なぜなら、円安になると海外からの輸入品が高くなるため、食料品や雑貨などの価格に影響が出るからです。

海外旅行の費用が高くなる
海外旅行が好きな方にとっても、円安はデメリットに働くことが多いです。
なぜなら、円安になると、海外旅行費用が高くなるからです。

円高円安どっちに進むか予想は難しい
事実、円高円安がどっちに進むかの予想は難しい部分があります。
なぜなら、為替は、金利差・経済指標・国際情勢・投資家心理など、さまざまな要因によって常に変動しており、それらが複雑に絡み合っているからです。
「円高になった」「円安になった」というのは、円と外貨との為替レートを見て判断できます。
例えばドルとの為替レートは、1ドル100円というように、1ドルあたりの円の金額というかたちで表示されます。
為替レートがどうやって決まるかというと、それぞれの通貨に対する需要(買いたい総額)と供給(売りたい総額)のバランスで決まります。
この需要と供給のバランスは、金利差や国際収支(貿易や投資などによる海外とのお 金の出入り)など、いろいろな要因で決まります。
例えば、『金利』に着目してみましょう。
金利と為替レートの関係
為替レートが決まる基本要因として、『金利が高い方の通貨が買われやすい』ということがあります。
以下の例では、米ドルの金利の方が高いですね。この場合は米ドルの方が買われやすくなり、結果、円安ドル高になりやすくなります。
参考 ドルとの関係で円高円安になる要因
このように、”金利”一つとっても様々な要因が絡んできます。
円高円安を予想することはなかなか難しいと言えるでしょう。
個人でできる円安対策をしておくと安心
円高円安を予想することは難しいですが、円安については対策をしておくと安心です。
そのために、『外貨資産』を持つことをおすすめします。
外貨建資産を持つメリットは、通貨の分散だけではなく、円より高い金利が見込めて将来使うためのお金を増やしやすいことにもあります。
外貨建て資産には外貨預金や保険、株、債券、FXなどあります。
初心者でも始めやすくて、将来の円安に備えるのにお勧めのものを2つご紹介します。
ドル建て保険
ドル建ての保険は保障金額がドルで決まっており、満期金や解約した時の返戻金もドルで決まっているため、将来の円安に備えることができます。
保障内容もいろいろなタイプがありますので、興味のある人はFPに相談してみてください。
【向いている人】
- ドルで保障をしっかり確保したい人
- ドルで将来のお金を安定的に増やしたい人
投資信託で分散投資
投資信託はプロを通して株などに分散投資をする商品です。
世界株など外貨での取引を対象としているファンドを持っておくと、将来円安に備えることができます。
自分に適した良いファンドを選びたい人は、FPに相談してみてください。
【向いている人】
- 積極的に将来のお金を増やしたい人
- 投資はしたいけど、自分で株など個別銘柄を選ぶのが苦手な人
まとめ
円高円安は私たち個人にとっても、会社や国にとっても大きな影響があります。
どちらになっても良い影響もあり、悪い影響もあります。
そして、これから円高になるか円安になるかは予測が難しいので、個人で私たちができる対策をとっておくと安心ですね。
円高円安についての基本を知って、今できる対策を始めてみてください。
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