NISAを60歳から始めるのはもう遅いですか?

TOP おかねの小槌 NISAを60歳から始めるのはもう遅いですか?
NISAを60歳から始めるのはもう遅いですか?
2026.07.24

NISAを60歳から始めるのはもう遅いですか?

「NISAは長期運用が良いと聞きますが、60歳から始めるのはもう遅いでしょうか?」

60歳からNISAで資産運用を始めるのは遅くありません。

60歳からでも運用期間は長く取れるので、長期運用は可能です。

物価が上がり現金の価値が目減りする「インフレ」や、想定以上に寿命が延びる「長生きリスク」を考えると、預金だけで資産を守ることは難しくなっています。

今の資産を減らさず、長く持たせるためには、60歳からでもNISAを活用して資産運用を取り入れていくことを検討してみてください。

この記事では、60歳からNISAを始めることが遅くない理由や、NISAを成功させるポイントなどを初心者にも分かりやすく解説していきます。

この記事でわかること

  • 60歳からNISAを始めることが遅くない理由
  • 60歳からの資産運用にNISAを活用するメリット
  • 60歳からのNISAを成功させるためのポイント

▼初心者向け無料マネーセミナーを開催しています。話題の”NISA”に特化したセミナーにもぜひご参加ください。

目次

1:60歳からでもNISAを始めるのは遅くない!

60歳からでもNISAで資産運用を始めるのは遅くありません。

理由は次の2つです。

  • 60歳からでも運用期間は長くとれる
  • 60歳からでも資産は大きく増やせる

では、詳しくみていきましょう。

1-1:60歳からでもNISAの運用期間は長く取れる

60歳からでも、NISAの運用期間は長く取れます。

60歳の平均余命が20年前後あるからです。

厚生労働省の統計によると、60歳時点の平均余命は男性約23年、女性約28年です。(参照:厚生労働省|令和6年簡易生命表

「自分は長生きしない」と考えていても、実際は80代半ばから90歳近くまで生きる可能性が高いといえます。

また、投資資産は一度にすべて売却する必要はありません。

年金で生活しつつ、70代や80代から「必要な分だけを取り崩す」形をとれば、残りの分はそのまま運用が続きます。

その結果、60歳でも10年や20年といった長い運用期間を取ることが可能です。


FPからのコメント

10年以上の運用期間があれば、元本割れのリスクは小さくなる傾向にあります。

60歳からでも10〜20年の運用期間を取れるため、資産運用がうまくいく可能性が高いです。


10年以上の運用を続けると元本割れのリスクを小さくできる可能性が高い

10年以上運用を続けた場合、過去の実績では元本割れしなかったというデータがあります。

長い期間で見ると、株式や債券などの値動きは右肩上がりで成長してきたからです。

株式や債券は短期では大きく価格が下がることがあります。

ただし、長い期間で見ると価格は上昇してきたため、10年という期間があれば、下がった時期があっても最終的に値上がりのほうが上回る傾向にあります。

※その結果、過去のデータでは10年以上の保有で元本割れしづらくなっていることが分かります。

▼国内外の株式や債券に投資した場合の保有期間ごとの年率平均リターン

※1970年1月から2015年6月まで保有した場合の各資産の保有期間別の年率平均リターンの推移について示しています。
※過去の実績データであり、将来の成果を保証するものではありません。


1-2:60歳からでも運用で資産は大きく増やせる

60歳からでもNISAで運用をすると、資産は大きく増やせる可能性があります。

NISAなら高利回りが期待でき、それを複利(※)運用し続けられるからです。

NISAで人気の投資信託が指標とする「全世界株式(MSCI ACWI)」という指数があります。

この指数の過去約40年間(1987年末から2026年5月末時点)の年平均利回りは、8.92%(円ベース・配当込み)でした。(参照:CURVO|Historical performance of the MSCI ACWI index

ここで年利8%(複利)で10年間運用した場合をシミュレーションしてみます。

条件

  • 1〜5年目:毎月30万円を積み立てる(元本1,800万円)
  • 6〜10年目:追加投資はせず、そのまま運用を続ける

以下は、10年後の結果です。資産合計は約3,306万円のシミュレーション結果となりました。

年利8%(複利)で10年間運用した場合のシミュレーションを示す積み上げ棒グラフ。横軸は経過年数(1年目〜10年目)、縦軸は資産総額(万円)です。青色部分は投資元本、赤色部分は運用益を表し、年数が経つにつれて運用益の割合が大きくなり、10年目には投資元本1,800万円に対して運用益が1,506万円となり、資産総額が3,306万円になることを示しています。

同条件で単利で運用した場合、10年後の資産は約2,886万円にしかなりません。

このように、高利回りで複利運用が可能なNISAなら、60歳からでも資産は大きく増やせる可能性があります。


つみたて投資枠で買える投資信託はすべて複利で運用

NISAのつみたて投資枠で買える投資信託はすべて複利で運用されます。

成長投資枠でも、「分配金なし」または「分配金再投資」を選べば複利で運用できます。

▼用語説明:複利(ふくり)とは

運用で得た利益を元のお金にプラスして、再び運用に回す仕組みのことです。

利益がさらに次の利益を生むため、時間が経つほどお金が増えるペースが上がっていくのが特徴です。

  • 複利:「最初のお金 + これまでの利益」に対して利益がつく
  • 単利:最初のお金に対してだけ利益がつく

NISAは毎月最大30万円まで投資できる

NISAには、年間の上限額と、生涯での上限額が決められています。

具体的には、年間では最大360万円、生涯では最大1,800万円まで投資できます。

年間上限360万円の内訳は、

  • つみたて投資枠:年間120万円
  • 成長投資枠:年間240万円

となっており、合計すると毎月最大30万円まで投資できる計算になります。

投資枠 年間上限額   毎月の上限額   特徴
つみたて投資枠  120万円 10万円  積立投資しかできない
成長投資枠 240万円 20万円※  一括投資も可能
合計 年間360万円 最大月30万円  生涯の投資額は1,800万円が上限

※成長投資枠を積立設定した場合の上限額

そのため、1,800万円を運用したい場合でも、一度にすべてを投資することはできません。

毎年の上限額の範囲内で、複数年に分けて投資していく必要があります。


2:60歳からの資産運用にNISAを活用するメリット

60歳からの資産運用においては、NISAを活用すると他の運用手段よりもメリットがあります。

具体的には以下の3つです。

  1. 投資信託を選べば運用の勉強や手間が不要
  2. いつでも売却して現金化できる
  3. 利益が非課税になる

では、具体的に見ていきましょう。

2-1:NISAなら運用の勉強や手間が不要ですぐに始められる

NISAで投資信託を選べば、難しい勉強や日々の手間をかけず、すぐに運用を始められます

運用の専門的なことはすべて、運用会社が代わりに行ってくれるからです。

資産運用は「まず本を読んで勉強し、経済に詳しくならないといけない」と思われがちです。

しかし、投資信託ならその必要はありません。

投資先選びや売り買いのタイミングなど、難しい判断はすべて運用会社が行ってくれます。

自分でやるのは「どの投資信託を買うか決めること」までです。

▼投資信託のイメージ

実際、60代の方からは「今さら難しい勉強はしたくない」「日々の値動きを気にしたくない」という声をよく聞きます。

こうした方にとって、お任せで運用できる投資信託は、始めやすく続けやすい選択肢です。

2-2:NISAはいつでも売却して現金化でき、急な出費にも備えられる

NISAは必要なときにいつでも売却できるため、急な出費にも対応できます。

他の運用商品と違い、保有期間や売却に制限がないからです。

60代以降は、急な医療費、住宅のリフォーム、冠婚葬祭など、予測できない支出が増える時期です。

NISAであれば、保有期間の縛りはなく、手続きから数日で現金化できます。

NISAの現金化の流れを3つのステップで示す図解。「NISAであれば、保有期間の縛りはなく、手続きから数日で現金化できます。」という見出しのもと、01はスマホやパソコンから行う「売却の手続き」、02は手続きから口座への「数日で入金」、03は引き出して「現金として使える」という流れを説明しています。

市場の状況を見ながら、必要な分だけを取り崩して使うことも可能です。

このようにNISAは、必要な時にいつでも売却して現金化できるため、将来の急な出費にも柔軟に対応できます。


買い方や金額も、自分のタイミングで自由に変更できる

NISAは売却だけでなく、買うときの設定も上限内で自由に変えられます。

具体的には以下のようなことが可能です。

  • 一括で投資する
  • 積立額を増やす
  • 積立を減らす、止める

退職や再雇用など、収支状況が変化しやすい60歳以降でも、その時々の家計に合わせて自由に進められるのはメリットです。


2-3:NISAなら利益が非課税になるので効率よくお金を増やせる

NISAなら、利益が非課税になるので効率よくお金を増やせます。

たとえば、100万円で購入した投資信託が「200万円」に値上がりしたタイミングで売却するとします。

  • 課税口座(特定口座)
    引かれる税金は約20万円。手元に残るのは約180万円です。
  • NISA口座: 税金は0円
    200万円すべてを受け取れます。

現役世代よりも収入が下がるリタイア世代には、税金で利益を減らさない仕組みはメリットがありますね。


NISAは所得に含まれないので、保険料や医療費の負担が増えない

たとえば家賃収入などの利益があると、自治体の計算上「所得」が増えたとみなされます。

その結果、健康保険料が上がったり、病院での自己負担割合が増えたりすることがあります。

一方、NISAの利益はいくら出ても「所得」にカウントされません。

そのため、保険料や医療費の負担が増える心配がない点も、大きなメリットです。


▼毎月様々なテーマでオンラインの無料マネーセミナーを開催しています。

3:60歳からのNISAを成功させるための3つのポイント

60歳からのNISAを成功させるためのポイントは3つあります。

  1. お金の振り分けをする
  2. 機会損失を避ける
  3. 自分に合った投資信託を選ぶ

それぞれ詳しく見ていきましょう。

3-1:お金の振り分けをする

成功のポイント1つ目は「お金の振り分けをすること」です。

なぜなら、投資の予算がわかるからです。

具体的には、お金を次のように時間軸で3つに分けましょう。

  • すぐ使う:生活費
  • 10年以内:車の買い替え、リフォームなど
  • 10年以上先:当面使わない残った資金

貯金1000万円の振り分け例

  • すぐ使う:200万円(当面の生活費)
  • 10年以内:300万円(数年後のリフォーム代や車の買い替え用)
  • 10年以上先:500万円(←ここをNISAでの運用に回す)
貯金1,000万円の振り分け例を示す図解。1,000万円を3つの目的に分け、「すぐ使う」当面の生活費などに200万円、「10年以内」のリフォーム代や車の買い替えなど中期的な計画に300万円、「10年以上先」の将来の資産形成に500万円を割り当てる例を説明しています。また、10年以上先の500万円については、NISAでの運用に回すことを示しています。

このように分けておけば、もし運用中の500万円が一時的に値下がりしても、生活費やリフォーム代は別に確保されているので、焦って売る必要がありません。

相場が回復するまで、待つことができます。


「遺すお金」なら保険という選択肢もある

10年以上先のお金の中には、自分が使うためではなく「家族に遺したいお金」も含まれているかもしれません。

その場合は、NISAだけでなく生命保険の活用も検討してみましょう。

▼相続時のNISAの注意点

本人が亡くなると口座が凍結され、遺産分割協議が終わるまで現金化できません。

また、資産をそのまま遺族のNISA口座へ移すことはできず、課税口座(税金がかかる口座)へ移されるため、相続後の値上がり分には課税されてしまいます。

▼相続時の保険の強み

遺産分割協議を待たずに、受取人が手続きするだけで数日で現金を受け取れます。

また、商品によっては払い込んだ保険料よりも多くの保険金を、加入した直後から家族に遺せるものもあります。

葬儀代や当面の生活費など、急ぎで必要なお金を確実に家族へ遺せます。

自分で使う分はNISA」「家族のために遺す分は保険」と目的で使い分けるのがおすすめです。


3-2:機会損失を避ける

成功のポイント2つ目は「機会損失を避けること」です。

まとまったお金があるのに、長い期間に分けて投資しすぎるとお金を増やす機会を逃してしまう可能性があります。

なぜなら、大きなお金を、より長い期間、複利運用するほうが、資産は効率よく増えるからです。

たとえば、同じ240万円を投資する場合でも、投資方法によって将来の資産額は大きく変わります。

年利8%で複利運用の場合

①240万円を最初に一括投資して20年間運用
→ 20年後の資産は約1,118万円

②毎月1万円ずつ20年かけて積立投資
→ 20年後の資産は約589万円

20年かけて投資に回すと、最後の方のお金は運用される期間が短くなり、結果として500万円以上の差がついてしまいます。

3-3:自分に合った投資信託を選ぶ

成功のポイント3つ目は「自分に合った投資信託を選ぶこと」です。

お金を増やす目的や家計の状況、リスク許容度などは、ひとりひとり違うからです。

たとえば、値動きの大きい投資信託を、「資産が減るのはなるべく避けたい」という人が選ぶと、相場が下がったときに不安になって途中で売ってしまうことがあります。

本来は持ち続けることで増えていたかもしれないのに、結果的に損をした状態で終わってしまいます。

これはよくある失敗例です。

世間で人気の投資信託が、自分に合うとは限りません。

ランキングを鵜呑みにせず、「自分の目的や性格に合った投資信託」を納得して選びましょう。

FPからのアドバイス

とはいえ、数ある投資信託の中から「自分にぴったりのもの」を一人で見極めるのは、簡単ではありません。もし迷ってしまったときは、FPなどの専門家に相談するのもおすすめです。

4:まとめ

60歳からNISAで運用を始めることは、決して遅くありません。

10年〜20年の運用期間が取れるため、今からでも資産を増やせる可能性は十分あります。

大切なのは、10年以上使わないお金で運用すること、そして自分に合った投資信託を選ぶことです。

こうしたポイントを押さえることで、60代からでも無理なく資産運用を始めることができます。

60代からの運用では迷っている時間も貴重です。

もし一人で悩んでしまう場合は、FPなどの専門家に相談しながら進めるのも良いでしょう。

5:マネースクール101の無料個別相談

「NISAについて詳しく知りたい」
「資産運用を始めてみたいけどどうしたらいいか分からない」

そんな方は、まずは無料でFP(ファイナンシャルプランナー)に相談をしてみませんか?

ご相談は来店またはオンラインで全国どこからでも承ります。

こんなお悩みが相談できます

  • NISAの始め方
  • 自分に合った資産運用の選び方
  • 効率よくお金を貯める方法
  • 教育資金や老後資金の貯め方
  • 金融機関の選び方
  • など

資産運用に関することをわかりやすく説明しますので、初心者の方もお気軽にご相談ください。

この記事をシェアする
この記事を書いたFP
NISAを60歳から始めるのはもう遅いですか?
谷間 志帆
谷間 志帆
【保有資格】
AFP・2級FP技能士/一種証券外務員資格/DCマイスター/住宅ローンアドバイザー/相続知財鑑定士

北海道出身。前職は国内生命保険会社勤務。札幌を中心に生命保険やマネープランのセミナーの講師を務める他、資産運用・保険相談などのコンサルティングを行なっている。2児の母。
>>プロフィール詳細はこちら
記事を探す