
「母と任意後見契約を結ぼうと考えていますが、司法書士や弁護士に頼まず、自分たちでできますか?」
専門家に依頼せず、自分たちで後見契約の内容を考え、公証役場での手続きを進めることは可能です。
ただし、契約内容を自分たちで考えることが難しい場合や不安がある方は、専門家と相談しながら進めることをおすすめします。
この記事では、専門家に依頼せず、任意後見を自分たちだけで進められるケースと、契約を進める流れ、専門家に依頼したほうが良い場合について解説します。
この記事で分かること
- 任意後見契約を自分たちだけで進めても良いケース
- 任意後見契約を自分たちで進める流れ
- 専門家に依頼したほうが良いケース
1:任意後見契約は契約内容が複雑でなければ、自分たちでもできる
任意後見契約は後見人に行ってほしい事柄が複雑でなければ、自分たちでも進めることができます。
例えば、以下のような場合です。
- 「銀行口座の管理」と「施設入所契約の締結」のみを後見人に行ってほしい
- 財産管理や介護、生活面など全ての事柄を後見人に行ってほしい
このような内容であれば、公証役場では、きちんとした契約書を持ち込まなくても、事前の打ち合わせの中で、契約したい内容を汲み取って公正証書を作成してくれます。
自分たちで任意後見契約を行う流れ

■ステップ1:契約(後見)の内容を決める
契約を結ぶ当事者間で後見の内容を決めます。
<契約内容の例>
- 何を後見人に行ってほしいか(財産管理、施設への入所契約、不動産売買など)
- 後見人に行ってほしい範囲(自宅は売ってほしくないが、その他の不動産は売ってもよいなど)
- 後見人への報酬の有無。報酬を払う場合はいくらにするのか
■ステップ2:公証役場へ連絡をして公証人との打ち合わせをする
公証役場へ任意後見契約を結びたいことを連絡し、公証人と事前に打ち合わせをします。
この時点で、どんな契約内容にしたいかを公証人に伝えます。公証人はこの打ち合わせを踏まえ、公正証書の原案を作成します。
■ステップ3:公正証書を作成する
日時を予約して、当事者(母と子供)で公証役場へ出向き、公証人と確認しながら公正証書を作成します。
<必要書類>
- 印鑑登録証明書
- 戸籍謄本または抄本(後見を依頼する本人=母のみ必要)
- 住民票
※費用約2万円(公正証書作成費用、法務局へ納める手数料、登記嘱託手数料などを合わせて)
2:契約内容が複雑だったり、不安がある場合は、専門家と相談して進めた方がよい
後見人に行ってほしい事柄(=契約内容)が複雑だったり、自分たちで考えることに不安がある場合は、司法書士や弁護士に相談して進めた方がよいでしょう。
例えば、以下のような場合です。
- 財産が多岐にわたっていて、それぞれの財産について後見内容を細かく決めたい
- 家族間で意見がわかれているため、契約内容を慎重に考えなければならない
- 任意後見契約だけでなく、遺言書作成などを併せて行いたいと思っている
このような場合は、専門家と相談して進めていく方がよいでしょう。
専門家に依頼することで、費用はかかりますが、自分たちの希望に沿った契約内容を考えてくれます。
それにより、実際に後見制度を利用する際のトラブルを防ぐことにもつながります。
司法書士や弁護士に依頼すると、自分たちで進める場合と比べて、5万円〜10万円程度費用は多くかかります。
3:まとめ
任意後見契約は自分たちで後見契約の内容を考え、公証役場で手続きをすることは可能です。
ただ、自分たちで契約内容を考えることに不安がある方は、専門家に相談しながら進める方がよいでしょう。
また、自分たちで進めるか専門家に依頼するかは、契約内容だけでなく、かかる時間や費用も変わってきます。
いずれにせよ、実際に任意後見制度を利用する際に、自分たちが希望した後見内容になっているかが重要です。
その辺りを考慮して自分たちで行うか専門家に依頼するか判断しましょう。