「NISA口座がある金融機関を、別の金融機関に変更したいのですが可能ですか?」
NISA口座の金融機関変更は、手順を踏んでいけば難しくはありません。
NISA口座の金融機関変更を、どなたでもスムーズにできるよう、ステップ形式で一つずつ細かく解説していきます。
また、変更時につまずきやすい「勘定廃止通知書(かんじょうはいしつうちしょ)」と「非課税口座廃止通知書」の違いや、金融機関変更でのよくある質問や注意点も解説します。
この記事で分かること!
- NISA口座の金融機関変更の手順を図解
- 「勘定廃止通知書」と「非課税口座廃止通知書」の違い
- NISA口座金融機関変更のQ&A
- 金融機関を変更したほうがいいケース
NISA口座を他の金融機関へ変更する手順

NISA口座は一人につき1口座のみですが、別の金融機関に口座変更することが可能です。(年単位で可能です)
NISA口座の金融機関変更は、順序に沿って手続きを進めればスムーズに完了します。
金融機関ごとに手続きが分かれているため、それぞれで手続きを行いましょう。
ここではA銀行(変更前の金融機関)からBネット証券(変更後の金融機関)に口座変更する場合を例に解説していきます。
A銀行での手続き
A銀行では、『金融機関の変更』を依頼し、廃止通知書というものを発行してもらいます。(発行までは約1週間)

準備するもの
- 特になし
【ステップ1】NISA口座変更手続き
A銀行へNISA口座の金融機関変更手続きをします。
※金融機関によっては、電話や店舗での手続き、またオンラインで完結するところもあります。
【ステップ2】廃止通知書を受け取る
A銀行から「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」が送られてくるので受け取ります。
※「勘定廃止通知書」と「非課税口座廃止通知書」の違いは後ほど解説します。
Bネット証券でNISA口座の申し込み
Bネット証券(変更したい金融機関)にNISA口座の申し込みをします。

準備するもの
- A銀行から送られてきた書類(「金融商品取引業者等変更届出書」または「非課税口座廃止通知書」)
- 本人確認書類
※マイナンバー未提出の方はマイナンバーが確認できる書類
【ステップ3】NISA口座を開設する
Bネット証券に口座がなければ、Bネット証券の総合口座とNISA口座を申し込みます。(オンラインで可能)
A銀行で発行された「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」と本人確認書類を用意し、「廃止通知情報」(「整理番号」や「廃止通知を発行した金融機関名」など)を入力して、本人確認書類を提出します(WEB・郵送のどちらでも可能です)。
【ステップ4】NISA口座変更完了
Bネット証券からNISA口座開設完了のお知らせが届きます。
これでNISA口座の変更は完了です。
※NISA口座変更手続きが完了するまでにかかる期間は、数週間〜1か月程度が目安です。
参考:楽天証券|NISA口座の金融機関変更手続き
参考:SBI証券|NISA口座の変更について
「勘定廃止通知書」と「非課税口座廃止通知書」の違い
「勘定廃止通知書」と「非課税口座廃止通知書」のどちらかが届くとお伝えしました。
ここではこの2つの違いについて解説していきます。
「勘定廃止通知書」とは?
勘定廃止通知書(かんじょうはいしつうちしょ)とは、変更前の金融機関のNISA口座で購入したものを、引き続き変更前の金融機関で保有や売却ができるようにするための書類です。
申請時の届出書は「金融商品取引業者等変更届出書」で依頼します。
「勘定廃止通知書」が届く人
変更前の金融機関でNISA枠を使い金融商品を購入、運用していてNISA残高がある人はこちらが届きます。
「非課税口座廃止通知書」とは?
非課税口座廃止通知書とは、変更前の金融機関のNISA口座を廃止する場合に使用する書類です。
申請時の届出書は「非課税口座廃止届出書」で依頼します。
「非課税口座廃止通知書」が届く人
変更前の金融機関でNISA枠を一度も使用したことがない、もしくはすでに売却してNISA残高がない方はこちらが届きます。
NISA口座の金融機関を変更する際によくある質問
NISA口座の金融機関変更時によくある質問を3つご紹介します。
Q1:今年の分を購入していますがすぐに金融機関の変更はできますか?
A:今年NISA口座で購入している場合は、すぐに金融機関変更はできません。
変更の手続きには受付できる期間があり、変更したい年にNISAを利用しているかどうかで違いがあります。
金融機関の変更の受付期間
変更したい年にNISAを利用している場合
翌年から変更可能です。
例1)現在2025年で、2025年中に変更したい
→できません
例2)現在2025年で、2026年に変更したい
→受付期間は2025年10月~2026年9月まで
変更したい年にNISAを利用していない場合
変更したい年の前年10月~変更したい年の9月まで受付可能です。
例1)現在2025年で、2025年中に変更したい
→受付期間は2025年9月まで
例2)現在2025年で、2026年に変更したい
→受付期間は2025年10月~2026年9月まで
Q2:金融機関を変更した場合、変更前の商品は変更先へ移すことはできますか?
変更前の金融機関で保有しているNISA商品は、そのまま新しい金融機関に移すことはできません。
そのため、口座変更をする場合は、
- 変更前の金融機関で引き続き運用を続ける(課税口座に移ります)
- 売却する(その後新しい金融機関で買い直す)
などを検討する必要があります。
Q3:今年購入した覚えがないのに購入している履歴があるのはなぜですか?
自分では購入した覚えがない場合は以下の2パターンの可能性があります。
- 積立投信(毎月同額で、同ファンドを自動で購入)になっており、毎月自動的に購入している
- 分配金が再投資される投資信託を保有しており、その年に分配金が支払われ再投資された
NISA口座の金融機関を変更したほうがいいケース
NISA口座をどの金融機関で運用するかによって、選べる商品・コスト・使い勝手などが大きく異なります。
特に、口座を変更することでよりよい資産運用ができる可能性もあります。
この章では、NISA口座の金融機関を変更したほうがいいケースについて解説していきます。
運用したい商品が他の金融機関にある
運用したい商品が現在の金融機関には無いが、他の金融機関にある場合は変更を検討しましょう。
例えば、NISAで個別株やETF(上場投資信託)を購入したいと考えていても、現在の金融機関では投資信託しか取り扱っていないケースがあります。
ネット証券と銀行などでは購入できる商品に以下のような違いがあります。

購入時にお得なサービスがある
他の金融機関に、購入時にお得なサービスがあれば変更を検討しても良いかもしれません。
例えば、
- 購入時手数料無料
- ポイント還元
などのサービスがあります。
現在はほとんどのネット証券が購入時手数料無料ですし、クレジットカード積立をすればポイントが還元される金融機関もあります。
購入時のメリットが多い場合はすぐにでも変更を検討してよいでしょう。
変更先の方がホームページ・アプリなどの使い勝手がいい
自分にとって、WEBサイトやアプリなどの使い勝手がいい場合も変更を検討しましょう。
最近では、スマートフォン表示やスマホアプリに力を入れている金融機関もあり、使い勝手が向上しています。
ホームページやアプリの使いやすさも考慮に入れてみてはいかがでしょうか?
セキュリティの高さも重要
セキュリティの高さも金融機関の変更を検討する際に重要です。
2025年4月頃、不正アクセス・不正取引による被害が急増していると報道がありました。
参照:金融庁|インターネット取引サービスへの不正アクセス・不正取引による被害が急増しています
被害に遭わないためにも、セキュリティの高さも考慮に入れてみてはいかがでしょうか?
まとめ
NISA口座の金融機関変更に関して解説してきました。
手順や変更した方がいいケース、ご理解いただけましたでしょうか。
金融機関の比較的簡単にできます。
もし今の金融機関が自分に合っていないと感じるなら、金融機関の変更を検討しましょう。
運用をしていくうえで大切なことは、妥協せず、自分が投資したいと思う商品で運用することです。
自分に合った金融機関と商品で、着実にお金を増やしていきましょう。
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