保険を解約させてくれないのは法律違反?知っておくべき権利と対処法

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保険を解約させてくれないのは法律違反?知っておくべき権利と対処法

保険を解約させてくれないのは法律違反?知っておくべき権利と対処法_01

加入している保険を解約しようとしたら、担当者から「今解約するのはもったいない」「もう少し続けた方がいい」などと強く引き止められて、なかなか解約させてもらえなかった経験はありませんか?

または、「解約したいけれど、担当者と気まずくなりたくない」「法律的に問題ないか不安」などの理由で、解約をためらっている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、保険を解約させてくれない場合の対処法や、知っておくべき法律についてわかりやすく解説します。

保険の解約を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いたFP
保険を解約させてくれないのは法律違反?知っておくべき権利と対処法
谷間 志帆
谷間 志帆
理想のライフプランを実現するために、 知っておくべきお金の知識をわかりやすくお伝えします。

目次

保険の解約は消費者の権利!法律で認められている

まず知っておいていただきたいのは、保険の解約は消費者の権利であるということです。ここでは、保険契約の解約に関連する、以下の2つの法律について解説します。

  • 保険法
  • 消費者契約法

解約は契約者の正当な権利であることがわかると、保険業者からの引き止めにも自信を持って対処できるようになるでしょう。

保険法で解約権が認められている

保険契約に関する法律である「保険法」では、契約者には保険契約を解約する権利があることが明記されています。

”保険契約者は、いつでも保険契約を解除することができます。”
(参照条文:保険法「54条、83条」

これは、保険契約者が自分の意思で自由に契約を終了できることを意味し、保険会社側が正当な理由なく解約を拒否することはできません。

消費者契約法は保険解約にも適用される

消費者契約法とは、消費者と事業者との間の契約において、消費者の利益を守るために作られた法律です。保険契約もこの法律の適用を受けます。

この法律では、消費者が一方的に不利益を被るような契約条項は無効とされています。
(参照条文:消費者契約法「10条」

つまり、保険会社が契約者の解約権を不当に制限するような特約を設けていたとしても、それは無効となるのです。

担当者が保険を解約させてくれない2つの理由とは?

法律で契約者の解約権が認められているにもかかわらず、なぜ担当者は解約を引き止めるのでしょうか?それには、主に以下の2つの理由が考えられます。

  • 契約から短期間で解約されると担当者にペナルティがある
  • 担当者の成績(継続率)に悪影響がある

担当者の行動の背景にある事情を理解し、冷静に対処していきましょう。

契約から短期間で解約されると担当者にペナルティがある

保険会社の中には、契約後短期間(多くは2年以内)で解約された場合、担当者にペナルティが課せられることがあります。

ペナルティの内容は会社によって異なりますが、報酬の減額やボーナスのカット、昇進への影響などが考えられるでしょう。

このようなペナルティ制度により、担当者は顧客に解約を思いとどまらせようと強く引き止めることがあるのです。

担当者の成績(継続率)に悪影響がある

保険営業担当者の成績は、新規契約数だけでなく、契約継続率も評価の対象になります。契約継続率とは、契約がどれだけ長く継続されているかを示す指標です。

解約が増えると、担当者の契約継続率が下がります。その結果、成績評価に悪影響を与えることに…。

つまり、担当者は自分の成績を守るために解約を思いとどまらせたいのです。

気まずくならない!担当者に連絡せずに保険を解約する3つの方法

「解約したいけれど、担当者と気まずくなりたくない」「引き止められるのが面倒」という方も多いでしょう。

ここでは、担当者に連絡せずに保険を解約する3つの方法を紹介します。

  1. 保険会社のコールセンターに電話して解約する
  2. 保険会社の支社や窓口で直接手続きをする
  3. 郵送で解約書類を送付して解約する
それぞれご紹介します

方法1:保険会社のコールセンターに電話して解約する

多くの保険会社では、契約者専用のコールセンターを設置しています。コールセンターに電話することで、担当者を通さずに解約手続きを進められるのです。

コールセンターのオペレーターは解約手続きに慣れているため、スムーズに手続きは進みます。

本人確認のために、保険証券番号や個人情報を聞かれるので、あらかじめ手元に準備しておくとよいでしょう。

方法2:保険会社の支社や窓口で直接手続きをする

保険会社の支社や窓口に直接訪問し、解約手続きを行うことも可能です。多くの場合、予約は不要。不安がある方は、事前に電話で確認しておきましょう。

担当者を通さずに手続きを進められ、その場で解約を完了できる場合もあります。不明点をその場で質問できるのもメリットです。

方法3:郵送で解約書類を送付して解約する

保険会社のホームページから解約書類をダウンロードし、必要書類を添付して保険会社に送付することで解約手続きができます。

通常は普通郵便で可能ですが、心配であれば「特定記録郵便」や「簡易書留」などで送ることをおすすめします。

書類に不備があると手続きに時間がかかるため、記入漏れや添付書類の不足がないか、しっかり確認をしましょう。

保険の解約手続きをスムーズに進めるためのポイント

ここでは、保険の解約手続きをスムーズに進めるためのポイントを3つ紹介します。

  • 解約理由を聞かれたら?「保険料の支払いが難しい」と伝えるのが無難
  • 新しい保険への切り替えは、解約前に慎重に検討する
  • 解約前に返戻金の有無を確認する

これらのポイントを押さえておくことで、よりスムーズに、そして安心して解約手続きを進められるでしょう。

解約理由を聞かれたら?「保険料の支払いが難しい」と伝えるのが無難

解約手続きの際、担当者やオペレーターから解約理由を聞かれることがあります。解約理由を聞かれても、詳細に答える必要はありません。

「保険料の支払いが難しい」という理由は、誰にでも起こりうることであり、引き止められにくい理由の一つです。

「他に良い保険を見つけた」など、他社への乗り換えをほのめかす理由は、強く引き止められる可能性があるため避けた方が良いでしょう。

新しい保険への切り替えは、解約前に慎重に検討する

新しい保険への切り替えを検討している場合は要注意です。新しい保険の契約が完了する前に、現在の保険を解約しないようにしましょう。

現在の保険を解約してしまうと、無保険期間が生じる可能性があります。また、健康状態によっては、新しい保険に加入できなかったり、保険料が高くなったりするケースもあり得るのです。

解約前に返戻金の有無を確認する

解約返戻金の有無や金額、解約によって生じるデメリットなども確認しておきましょう。


解約返戻金とは

保険を解約した際に契約者に払い戻されるお金のことです。解約返戻金の有無や金額は、保険の種類や契約年数などによって異なります。


解約返戻金がもらえる場合でも、払った保険料を下回るケースもあります。

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保険を解約する際は、これまで受けていた保障が失われることをよく考えたうえで実行しましょう。

まとめ

保険の解約は消費者の正当な権利であり、法律でも認められています。保険の解約を検討している方は安心して手続きを進めましょう。

もし担当者と気まずくなりたくない場合は、コールセンターへの電話や、支社・窓口での手続きなど、担当者に連絡せずに解約する方法を活用してください。

解約理由を聞かれた際は「保険料の支払いが難しい」と無難に伝えておくのがおすすめです。

しかし、個々の保険契約の内容や、解約があなたにとって本当にベストな選択かどうかは判断が難しい場合もあります。もし、ご自身の判断に不安がある場合は、保険の専門家やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

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