
「生活防衛資金はいくらあればよいですか?」
生活防衛資金は生活費の3か月~6か月分くらいあればよいと言われています。
しかし、生活防衛資金は預貯金に預けたままになりがちで、それだと今はお金が増えません。
なるべく生活防衛資金を少なくして、そのお金を投資にまわすのがよいでしょう。
この記事では、生活防衛資金はなるべく少ない方が良い理由と、生活防衛資金の目安、生活防衛資金を少なくするためのポイントなどを解説します。
この記事でわかること
- 生活防衛資金は少ない方がよい理由
- 生活防衛資金はどんな時にいくら必要になるか想定しておく
- 生活防衛資金を少なくするために事前にしておきたいこと
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1:生活防衛資金はなるべく少なくできるとよい
生活防衛資金はなるべく少なくできるとよいです。
生活防衛のためにお金を手元に残しても、緊急で大きなお金が必要になることはまれです。
手元に残すお金を少なくすると、その分投資にまわすことも可能となります。
100万円を生活防衛資金として預貯金に預けておくか、投資信託で運用するかで比較してみました。
仮に定期預金金利0.4%、投資信託の年リターン7%で計算すると、将来大きな差になります。

金利参考
三井住友銀行1年定期:金利0.400%(2026.5現在)
主要インデックスの10年の年率平均リターン(2026.4基準)
- 日経平均株価(日本株):13.2%
- S&P500(米国株):19.1%
- 米国債10年(米国債券):6.9%
投資にまわしても、多くは4営業日以内に現金化できる
投資にまわしていたお金を売却すると、多くは4営業日以内にお金は自分の銀行口座に振り込まれます。
しかも売却の金額指定ができるため、必要な分のみ売却が可能です。
なので、急にまとまったお金が必要になっても多くの場合には対応できます。
ただ、お金が必要になった時に株が下がっていたなど売却損がでる場合もありますので、売却して現金化するのがよいか、他に方法がないかを慎重に検討するのがよいでしょう。
▼生活防衛資金が貯まったら資産運用を検討しましょう。詳しくは以下の記事で解説しています。
2:生活防衛資金を少なくするために、必要となる場面を想定しておこう
生活防衛資金を少なくするためには、必要となる場面を事前に想定しておきましょう。
どんな時に生活防衛資金が必要になるかを想定しておくことで、それに対処するために計画を立てることも可能となります。
その結果、本当に必要な分だけ生活防衛資金として備えておくことができます。
そもそも生活防衛資金はつぎの2つに分けることができます。
- 万が一の事態があったときに必要となる当面の生活費
- 急に必要となるまとまったお金
以下で順番にみてみます。
2−1:万が一の事態があった時に必要となる当面の生活費
まず、万が一の事態で当面の生活費が必要となるケースが想定されます。
この場合は当面の生活費を補うためのお金が必要になります。
2-1-1:失業する
会社勤めの方が失業をすると収入がしばらく途絶えるため、次の仕事が見つかるまで当面の生活費が必要となります。
目安として3か月~6か月分の生活費があればよいと言われます。
ただ、3章でみるような手当もあるため、不足分のみ備えておくとよいでしょう。
仮に、月20万円の生活費がかかる場合は、6か月分備えるなら120万円必要となりますが、手当がある場合は、その分差し引くことは可能です。
2−1−2:働けなくなる
病気やケガなどにより、しばらく働くことができなくなることも考えられます。
多くの場合は1か月~3か月ほどの生活費があればよいですが、病状によってはさらに長引くことも考えられます。
この場合も、3章でみるように手当もあるため、不足分を備えておくとよいでしょう。
仮に、月20万円の生活費がかかる場合は、3か月分備えるなら60万円必要となりますが、手当がある場合は、その分差し引くことは可能です。
2−2:急に必要となるまとまったお金
急な出来事によって、緊急でまとまったお金が必要になることもあります。
そのために、すぐに使えるお金を備えておく必要があります。
2−2−1:冠婚葬祭
急な冠婚葬祭の知らせを受けることがあります。
例えば、結婚式ご祝儀や出産祝い、訃報を受けた際の香典代など急な出費が必要となります。
出費の目安例
- 結婚式ご祝儀:3万円~10万円
- 出産祝い:3千円~3万円
- 香典代:5千円~10万円
2−2−2:急な病気やケガによる医療費
急な病気やけがを負うことで入院や手術をするなど医療費がかかることもあります。
例えば、入院時の自己費用負担の平均はおよそ20万円になります。
▼入院時の自己費用負担(直近5年間)

データ参照:公益財団法人生命保険文化センター|生活保障に関する調査(令和4年度)
2−2−3:水回りのトラブル
予期せぬ水回りのトラブルで急な修理が必要となることがあります。
例えば、お風呂やトイレ、キッチンなどに水漏れなどトラブルがあると日常生活に支障をきたします。
修理の費用目安:1万~5万
※設備交換にかかる費用はグレードや設置に必要な工事の度合いによる
2−2−4:家電の故障
日常利用している電化製品が故障することがあります。
例えば冷蔵庫や夏場のクーラーなど、毎日使うものが故障すると、日常生活に支障をきたします。
そこで、修理や買い替えのため急な出費が必要となります。
冷蔵庫の修理や買い替え費用目安
- 修理 1万~10万
- 買い替え 3万~30万
2−2−5:自然災害
地震や台風、大雨など自然災害により緊急にお金が必要になる場合もあります。
家屋の修繕や費用など大きめの出費には、3章でみる災害支援や保険で対応するのがよいでしょう。
あと、災害時はライフプランが止まることもあります。
なので、避難や物資調達のためにすぐに使える現金を生活費の1週間分ほど持っておくと安心です。
3:生活防衛資金が少なくて済むように、事前にしておきたいこと3選
生活防衛資金が少なくて済むように、計画を立てて準備しておくことは大切です。
そこで、事前にしておきたいことを以下で具体的にみていきます。
3−1:万が一の事態に助けになる制度を知っておく
万が一の事態があった場合に、助けになる制度を知っておくとよいです。
なぜなら、それを知っておくことで万が一があっても対応できるし、生活防衛資金を必要以上に多めに備えなくて済むからです。
以下、代表的な例をあげます。
3−1−1:失業した場合には失業手当がある
会社員が失業した場合には、雇用保険のひとつとして失業手当を受け取ることができます。
年齢や雇用保険の被保険者であった期間、失業した理由によって、失業手当の支給日数や金額が決まります。
例えば、30歳会社員(月給30万、8年勤務)で会社都合で失業した場合、トータルでおよそ108万円支給されることになります。
6036円(給付日額)×180日(給付日数)=1,086,480円
※失業手当を受け取る条件や金額などは失業給付の概要(厚生労働省)を参照。
3−1−2:急な病気やケガで会社を休むときは傷病手当金がある
会社員が病気やけがで一定期間会社を休んだ場合、4日目から傷病手当金を受け取ることができます。
受け取ることができる1日当たりの金額は、以下の計算式で求められます。
直近12か月の標準報酬月額 ÷ 30 × 2/3
例えば、標準報酬月額が26万円の人なら、1日当たり5,780円を受け取ることができます。
傷病手当金について、詳しくは全国健康保険協会HPへ。
FPからのコメント
自営業やフリーランスなど傷病手当金がない人は、その分の生活防衛資金を備えておくとよいでしょう。
3−1−3:自然災害にあった場合には生活再建支援制度がある
自然災害により被害を受けた場合、一定の条件のもと国によって被災者生活再建支援金が支給されます(被災者生活再建支援法)。
支援金は被災世帯の区分ごとに設定されて、使いみちは限定されません。
例えば長期避難世帯には基礎支援金として100万円が支給されます。
詳しくは内閣府の被災者生活再建支援制度の概要を参照。
3−2:気になるところは保険でカバー
万が一の事態に備えておきたい人は、保険に加入しておくとよいでしょう。
保険でカバーできる分は、生活防衛資金をおさえることも可能だからです。
以下、代表的な例をあげます。
3−2−1:医療保険やがん保険
病気やけがで入院や手術をした場合など、医療保険やがん保険に加入していると一定の給付を受けることができます。
また、がんと診断された場合は、入院しなくてもすぐに、診断一時金が支給される保障をつけておくと、素早く治療費や収入が途絶えた場合の生活費に備えることができて安心です。
3−2−2:就業不能保険
病気やけがで働けなくなった時に、就業不能保険に加入していると毎月一定の給付を受けることができます。
なお、精神疾患により働けなくなる場合は保障されない場合が多く、保険会社によって保障の対象となる就業不能の範囲なども異なりますので、慎重に選ぶ必要があります。
3−2−3:火災保険、地震保険
火災や地震で被災した場合、火災保険や地震保険に加入していると、一定の要件を満たせば給付を受けることができます。
例えば、残存物を片付ける費用など、事故対応に伴う費用についても支給されますので、臨時に必要になる費用を賄うことも可能です。
* 火災保険や地震保険について、詳しくは損害保険協会HPへ
3−3:人間関係を良好にしておく
万が一の事態にあった場合、人間関係を良好にしておくと助けになることがあります。
例えば、親が近くにいる場合には実家を利用することで、万が一の時の生活費をおさえることも可能です。
また、ご近所づきあいで子どもの面倒をみてもらえると、有料のサービスを使わずに済みます。
4:まとめ
生活防衛資金はできるだけ少なくすることをお勧めします。
いざというときを想定した準備が足りない人は、生活防衛資金が多くなりがちです。
そうならないためにも、緊急の事態を想定して、計画的に準備しておくことが大切となります。
そうして、浮いたお金は投資にまわし、お金を増やしましょう。
生活防衛資金を少なくするために自分なら何ができるか、具体的に知りたい人はファイナンシャルプランナーに相談してみましょう。
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