主婦のベストな働き方とは?年収の壁を理解して賢い選択を!

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主婦のベストな働き方とは?年収の壁を理解して賢い選択を!

主婦のベストな働き方とは?年収の壁を理解して賢い選択を!

子育て、家事、そして自分の時間。色々なことを考えながら働く主婦にとって、「働き方」は大きな悩みのひとつです。特に、税金や社会保険の「年収の壁」は複雑で、よくわからない…と感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんな「年収の壁」の仕組みをわかりやすく解説していきます。本記事を読んで、働き損にならない「賢い働き方」を見つけましょう。

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主婦のベストな働き方とは?年収の壁を理解して賢い選択を!
武森 聖佳
武森 聖佳
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目次

主婦の賢い働き方とは

家族のため、自分のため、働く理由は人によってさまざまです。

ここでは、多くの主婦が働き方を変えるタイミングとなる「ライフステージの変化」について見ていきます。

まずは「なぜ働きたいのか」という目的を再確認していきましょう。

ライフステージで変わる主婦の働き方

主婦の働き方は、人生の節目ごとに自然と変わっていくものです。結婚、出産、子育て、そして子どもの独立など、その時々の状況で仕事に求めるものが変化します。

例えば、子どもが小さい未就学児の時期は、送り迎えの時間に合わせて短時間パートを選んだり、在宅ワークを探したりする方が多いでしょう。また子育てが一段落すると、収入だけでなく「やりがい」や「好きなこと」を仕事にしたいと考える方も増えてきます。

このようにライフステージが変わるタイミングは、働き方を見直す絶好のチャンス。「今の自分」にとって何が一番大切か考え、働き方を柔軟に変えていきましょう。

家計のため?やりがい?働く目的を再確認しよう

生活費や教育費のためなど、お金に関する目的は大切です。一方で、「社会とのつながりが欲しい」「スキルアップしたい」「仕事で達成感を得たい」といった、お金以外の目的を持っている方もいます。

目的がはっきりすれば、仕事選びの軸が決まり、条件の優先順位もつけやすくなります。結果的に、自分に合った仕事が見つかりやすくなり、働き始めてからの満足感にもつながるのです。

知らないと損!主婦の働き方を左右する「年収の壁」

主婦が働くうえで、よく耳にするのが「年収の壁」という言葉。年収がある金額を超えると、税金や社会保険料の負担が増えるというボーダーラインのことです。

ここでは、「106万円」「123万円(旧103万円)」「130万円」「150万円」という4つの壁について、ひとつずつ解説していきます。

この壁を意識して、損をしない働き方を選びましょう。

【106万円の壁】パート先の社会保険加入ライン

「106万円の壁」は、パートやアルバイトで働く人が、勤め先の会社の社会保険に入るかどうかに関わる壁です。

正確には次の5つの条件にすべて当てはまった場合、社会保険料を給料から支払わなければなりません。


106万円の壁の条件

  1. 月収8.8万円以上(年収106万円以上)
  2. 週20時間以上働く
  3. 働く期間が2ヶ月を超える見込み
  4. 学生でない
  5. 51人以上の会社で働く

手取りは減りますが、将来もらえる年金が増えたり、病気で休んだ時に手当金がもらえたりするメリットもあります。

【123万円の壁】所得税がかかるライン(旧103万円の壁)

あなたのパート収入が年間123万円以下なら、所得税はかかりません。これは基礎控除や給与所得控除という、税金を計算するうえで収入から差し引かれるものがあるからです。

これまでは「103万円の壁」と呼ばれていたので、こちらの方が馴染みのある方も多いかもしれません。2024年12月に自民・公明両党より発表された「令和7年度税制改正大綱」により、この103万円の壁が123万円まで引き上げられたのです。

図:税制改正による年収非課税上限額の変更。現行103万円(基礎控除48万+給与所得控除55万)が、2025年から123万円(基礎控除58万+給与所得控除65万)に拡大。

【130万円の壁】配偶者の扶養を外れるライン

あなたの年収が130万円以上になると、基本的には夫の会社の健康保険や年金の扶養から外れなければなりません。

扶養から外れるとどうなるかというと、自分で社会保険料を支払う必要が出てきます。選択肢は主に次の2つです。

  • 「106万円の壁」の条件を満たしていれば、自分の勤め先の社会保険に加入する
  • 条件を満たしていなければ、自分で国民健康保険と国民年金に加入する

どちらにしても、年間で十数万円以上の保険料負担が発生するため、手取り収入がガクッと減ってしまうおそれがあります。この壁を超えるかどうかは、家計に大きな影響を与えるので慎重に考えましょう。

【160万円の壁】配偶者特別控除満額のライン

「160万円の壁」は、おもに夫の税金に関わるボーダーラインです。あなたの年収が160万円以下であれば、夫は配偶者特別控除を満額(所得税で最大38万円)受け取れます。(「令和7年度税制改正大綱」により、150万円から160万円に改正されました)

しかし、あなたの年収が160万円を超えると、その控除額は収入が増えるにしたがって段階的に減っていくのです。そして、年収が約201万円を超えると配偶者特別控除は完全になくなります。

つまり、160万円を超えて働き始めるとあなたの収入は増えますが、夫の税金負担が増えるということです。

働き損ゾーンとは?損しない年収目安をチェック

「頑張って働いたのに、手取りが増えないどころか減っちゃった…」なんてことになったら悲しいですよね。これが、いわゆる「働き損」と呼ばれる状態です。特に、「年収の壁」を少しだけ超えたあたりで起こりやすいので注意が必要です。

具体的には、年収106万円〜120万円くらい、そして特に130万円〜160万円くらいのゾーンが「働き損」になりやすいといわれています。

表:妻の年収による税・社保への影響。103万円超で所得税、130万円超で社保負担増。配偶者特別控除は150万円から漸減。働き損ゾーンも図示。

じゃあ、どうすれば損しない働き方ができるのでしょうか?

一つの考え方は、壁の手前、年収120万円以上130万円未満にきっちり抑えること

もう一つは、いっそのこと壁を大きく超えて、社会保険料を払っても十分手取りが増えるくらいを目指すことです。

どんな働き方がある?主婦におすすめの働き方をタイプ別で紹介

ここでは、主婦の方に人気のある働き方を大きく4つのタイプに分けました。

  1. パートタイム
  2. 契約社員・派遣社員
  3. 正社員
  4. 在宅ワーク・フリーランス

ひとつずつ見ていきましょう。

パートタイム:時間や曜日を選びやすい柔軟な働き方

主婦の働き方として、一番身近なのがパートタイムです。

パートタイムの魅力は、働く時間や曜日を比較的自由に選びやすいこと。「午前中だけ」「週3日だけ」など、家事や育児、自分の時間とのバランスを取りながら働きたい方にはぴったりです。求人の数も多く、特別なスキルや経験がなくても始めやすい仕事がたくさんあるのも嬉しいポイントです。

ただし、時給で働くことが多いので、祝日が多い月などは収入が不安定になることもあります。また、正社員に比べるとボーナスや退職金がない場合が多く、給料アップの機会も少ない傾向です。

契約社員・派遣社員:期間を決めて経験やスキルを活かす働き方

もう少ししっかり働きたい、これまでの経験を活かしたい、という方には契約社員や派遣社員という選択肢もあります。

契約社員は働く会社と、派遣社員は派遣会社と契約を結んで働きます。どちらも働く期間が固定されていることが多いです。パートより専門的な仕事に就けるチャンスがあり、給料も比較的高めな傾向があります。

派遣社員の場合は、派遣会社が仕事探しや条件の相談に乗ってくれるので心強いかもしれません。一方で、契約期間が終わると次の仕事を探す必要があるため、雇用が不安定という側面もあります。

正社員:安定収入とキャリアアップを目指す働き方

収入や雇用の安定性を一番に考えるなら、正社員という働き方があります。

毎月決まったお給料がもらえ、ボーナスや退職金制度がある会社も多いのが魅力です。社会保険などの福利厚生もしっかりしていて、長期的にキャリアを積んでいきたい方には最適です。責任のある仕事を任されることも多く、やりがいを感じやすいかもしれません。

その反面、勤務時間や曜日が決まっていることが多く、パートのように気軽に休んだり、時間を調整したりするのは難しい場合が多いです。家事や育児との両立には、家族の協力や会社の理解が不可欠になります。

在宅ワーク・フリーランス:自宅で自分のペースを大事にする働き方

最近注目されているのが、パソコンなどを使って自宅で働く在宅ワークや、会社に属さずに個人で仕事をするフリーランスという働き方です。

通勤時間がなく、自分の好きな時間やペースで仕事を進められるのが最大のメリット。データ入力や文章作成、デザイン、オンライン秘書など、仕事の種類もさまざまです。

ただし、収入は仕事の量や内容によって変動するため、不安定になりやすいのがデメリットです。自分で仕事を見つけたり、確定申告などの手続きをしたりする必要もあります。また、一人で黙々と作業することが多いので、計画的に仕事を進める自己管理能力が欠かせません。

まとめ

主婦の働く目的は、ライフステージの変化や家計、やりがいのためなどさまざまです。そして、働き方を考えるうえで知っておきたいのが「年収の壁」。税金や社会保険の仕組みを理解して、損をしない働き方を選ぶことが大切です。

パート、契約・派遣、正社員、在宅ワークなど、それぞれの特徴を理解して、「自分は何を一番大切にしたいのか」を考えることが、ベストな働き方への近道です。

本記事を参考にして、ぜひあなたらしい働き方を見つけてください。

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