
「老後資金を貯めるのに、iDeCoか個人年金を検討しています。どちらが向いているのか知りたいのですが、両者の違いがわかりません。」
iDeCoと個人年金のいちばんの違いは、大きな利益を期待できるかです。
ほかにも、iDeCoと個人年金には違いがありますので、それを知って自分に向いている方を始めてみてください。
この記事では、iDeCoと個人年金の違いを、利益、税金、引き出し制限、加入条件の4つの視点から解説します。
老後資金を貯めるのにどちらが向いているか知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- いちばんの違いは大きな利益を期待できるかどうか
- 毎年の税金面での違い
- 途中でお金を引き出せるかどうかの違い
- 加入できるかどうかの違い

1:iDeCoと個人年金のいちばんの違いは大きな利益を期待できるかどうか
iDeCoと個人年金のいちばんの違いは、大きな利益を期待できるかです。
個人年金は金利で増えるのに対して、iDeCoは投資信託で運用するからです。
個人年金は加入時の金利で年金額が決まるのが基本で、低金利の日本では多くの利益は期待できません。
これに対して、iDeCoはラインナップされた投資信託を自分で選んで掛金を運用できます。
つまり、長期的に右肩上がりの世界株など株式投資信託に積立できるので、iDeCoは大きな利益を期待できます。
比較例:加入年齢30歳、掛金月2万円、60歳満期(一括受取)

※1 運用利回りは経済情勢などによるため、確定するものではない。また費用は考慮していない。
※2 保険会社や加入のタイミングによって予定利率は異なる。
参考)世界株と日本株の10年運用した場合の年率平均リターン(2026年4月時点)
- 世界株:年17.2%
- 日本株:年13.2%
※世界株はオール・カントリー・ワールド・インデックス、日本株は日経平均を採用。
データ参照:myINDEX
よって、iDeCoのほうが個人年金に比べると大きな利益が期待できるといえます。
ただ、iDeCoは資産運用であるため、将来の年金額が約束されていません。
つまり、将来の年金額が約束されている個人年金と違って、iDeCoは運用成績によって大きく増えたり、減ったりします。
なので、iDeCoをする場合は、投資信託の選び方など資産運用の基礎知識を身につけておくことをおすすめします。
外貨建て個人年金については将来貯まるお金は決まっていない
外貨建て個人年金については、将来貯まるお金は円で決まっているわけではありません。
為替の変動によってもらえる年金が変わるためです。
支払時に比べて受取時に円高になると為替では損がでて、逆に受取時の方が円安だと為替で利益がでます。
ただ、一般的に円より外貨のほうが金利が高いため、為替リスクがあっても外貨建て個人年金には年金額を増やす効果が期待できます。
iDeCoでも定期預金など元本確保商品を選ぶと運用でお金は減らない
iDeCoには定期預金など元本確保商品もラインナップされています。
それを選べば資産運用されないため、大きくお金が減ることはありません。
ただ、iDeCoには各種手数料がかかりますので、選んだ商品の金利が低いとその分お金が減るため、注意が必要です。
2:iDeCoと個人年金では毎年の税金面でも違いがある
iDeCoも個人年金も所得控除ができるため、毎年の税金が安くなります。
ただ、その効果はiDeCoの方が個人年金より大きいです。
iDeCoのほうが控除できる額が大きいためです。
所得税や住民税は所得にかかるため、所得を小さくできれば税金は安く済みます。
この点、iDeCoは掛金の全額を所得控除できるため、掛けた分だけ所得を小さくできます。
これに対して、個人年金は最大でも4万円の控除*と決まっているため、たくさん掛金をかけても所得は4万円小さくなるだけです。
* 個人年金控除は所得税で最大4万円の控除、住民税で最大2.8万円の控除と決められている。
▼例:年収500万円の人が月2万円を掛けた場合の比較

* 所得税10%、住民税10%とする。
収入がない人は毎年の節税メリットがない
iDeCoも個人年金も収入がない人には毎年の節税メリットがありません。
収入がない人はそもそも税金がかからないからです。
ただし、個人年金では収入のある配偶者が支払いをすれば、配偶者のほうで個人年金保険料控除が使えるため、その点で節税効果を受けることはできます。
一方、iDeCoは加入者本人のみ所得控除が使えるため、配偶者が節税効果を受けることもできません。
年金を一括でもらうときにも税金面で違いがある
iDeCoも個人年金も年金受取するときは雑所得になり税金面で変わりませんが、一括受取するときに税金面で違いがあります。
iDeCoは退職所得となり、個人年金は一時所得となるからです。
退職所得では退職所得控除(*)を差し引いた金額の1/2が課税対象となり、一時所得では利益(受取額-払込保険料総額)から50万円を差し引いた金額の1/2が課税対象になります。
*加入から20年までは年40万円、それを超えた部分は年70万円。
例えば、25年加入なら、(40万×20)+(70万×5)=1150万円。
ただしiDeCoは退職金や企業年金をもらっていると、退職所得控除を使えない場合も多いです。
また、個人年金は他の所得と合算されるため、その年の所得によっては税額が多くなる場合もあります。
なので、年金受取にするか一括受取にするかは税金面を考えて慎重に判断するのがよいでしょう。
▼一括受取時の税金の違いまとめ

3:iDeCoと個人年金では途中でお金を引き出せるかに違いがある
iDeCoは途中でお金を引き出せませんが、個人年金は引き出せます。
iDeCoは60歳までお金を引き出しできないと決められているからです。
iDeCoは制度上60歳までの引き出しはできないので、老後資金以外の目的では使えません。
これに対して、個人年金では途中で解約することでお金を引き出すことができます。
ただし、個人年金を途中解約する場合、支払った掛金よりも減って戻ってくることが多いため注意が必要です。
個人年金の途中解約を検討する場合は、メリットとデメリットを比較して慎重に判断しましょう。
4:iDeCoと個人年金では加入できるかどうかにも違いがある
iDeCoは企業型確定拠出年金(企業型DC)をしている場合、加入できないことがあります。
マッチング拠出をしている場合はiDeCoと併用できないためです。
企業型DCのうち、会社が拠出する掛金に上乗せして加入者本人も拠出するマッチング拠出をしている場合、iDeCoとの併用は認められていません。
これに対して、個人年金は企業型DCをしていても加入できます。
もちろんiDeCoと併用もできるなど、個人年金は加入しやすい商品と言えます。
iDeCoは掛金上限が職業などによって変わる
iDeCoは掛金の上限が職業によって変わります。
まとめると、以下になります。

ただし、企業年金など他の給付制度と併用する場合、掛金上限が少なくなることがあります。
具体的には、以下の計算式で上限が決まります。
iDeCoの掛金上限=月5.5万-(企業型DCの事業主掛金月額+他の給付制度の掛金月額)
▼2026年12月よりiDeCoの掛金上限は引き上げられる予定です。
5:まとめ
iDeCoと個人年金のいちばんの違いは大きな利益を期待できるかです。
なので、老後の年金を大きく増やしたい人はiDeCoのほうが個人年金より向いています。
ただ、将来の年金額が運用結果で決まるiDeCoに対して、個人年金は金利で増えるため、老後の年金を減らしたくない人には個人年金が向いているでしょう。
そのほか税金面などでもiDeCoと個人年金には違いがありますので、どちらが良いかはケースバイケースとなります。
なので、加入を検討している人はいちどファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。