
「将来のために積立投資しようと思って、FPに相談したら変額保険を勧められました。友人からはNISAがよいと聞きましたが、その違いもよくわかっていません。そもそも変額保険とNISAはどのような点で違いがあるのでしょうか?」
変額保険とNISAによる積立投資の一番の違いは保障(保険の機能)があるかどうかです。
両者には大きく4つの違いがありますが、それぞれにメリットやデメリットがあります。
この記事では、変額保険とNISAの違いを様々な角度から詳しく解説します。
両者の違いを知ったうえで自分に合う方法で積立投資を行いましょう。
この記事でわかること
- 変額保険とNISAでは保障(保険の機能)の有無に違いがある
- 変額保険とNISAではお金の増え方に違いがある
- 変額保険とNISAでは税金面で違いがある
- 変額保険とNISAでは使い勝手に違いがある
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1:変額保険とNISAを利用した積立投資の一番の違いは保障(保険の機能)があるかどうか
変額保険とNISAを利用した積立投資の一番の違いは保障(保険の機能)があるかどうかです。
変額保険はNISAと違ってあくまでも”保険”なので、保障がついています。
変額保険に加入すると死亡や三大疾病(がん、心疾患、脳血管疾患)といった保障がついているため、それに至れば保障内容に従って保険金が下ります。
また、三大疾病になると以降の保険料支払いが免除になる特約を付けることもできます。
これに対して、NISAを利用して積立投資をしても保険金が下りることはありません。
また三大疾病になっても積立が免除にならず、積立を継続しないとお金を貯めることができません。
なので、積立投資の効果にくわえて、死亡保障や三大疾病といった保障に魅力を感じる人は変額保険がおすすめです。
参考:変額保険の支払い事由(どんな時に保険が下りるか)
| 保険の主な支払事由 | 支払われる保険金 |
| ①死亡したとき | 死亡保険金 |
| ②高度障害状態に該当したとき | 高度障害保険金 |
| ③就労不能や介護になったとき | 就労不能・介護保険金 |
| ④三大疾病になったとき | 三大疾病保険金 |
*保険会社や商品の種類によって保障の内容や支払事由は異なる。
*④は保険金が下りなくても、以降の支払いが免除される特約もある。
なお、三大疾病の範囲や条件は保険会社によって異なります。
三大疾病になって積立投資を継続できるか心配な人は特に変額保険がおすすめ
三大疾病になって積立投資を継続できるか心配な人は特に変額保険がおすすめです。
保険料の支払いが免除になる特約を付加できるからです。
三大疾病(がん、心疾患、脳血管疾患)になると、仕事を続けられなかったりセーブすることも考えられ、収入が減るおそれがあります。
そうするとNISAでの積立投資を継続するのは難しくなるかもしれません。
それに対して、変額保険で三大疾病保険料免除特約を付けていると、三大疾病の所定の状態になれば、以降の保険料が免除されます。
予定されていた残りの期間の支払いを保険会社が代わりに継続してくれるため、将来の老後資金を無理なく貯めることができて安心です。
2:変額保険とNISAを利用した積立投資ではお金の増え方に違いがある
変額保険とNISAを利用した積立投資では、お金の増え方に違いがでます。
保障の有無によってそれにかかる費用の差が出るためです。
変額保険は保障がついているため、支払保険料の一部が費用として差し引かれます。
すると、実際に支払ったお金より少ない金額が運用にまわります。
これに対して、NISAで積立投資をする場合は保障のための費用がかからないため、積み立てたお金がそのまま運用されます。
これにより、投資信託の運用利回りが同じなら、NISAのほうが変額保険よりお金は増えます(*)。
*変額保険は保険が下りなかった場合の解約返戻金での比較。
例:30歳男性が60歳になるまで月2万円を積立する場合の比較(年6%の運用を想定)
| 変額保険 | NISAでの積立 | |
| 支払総額(投資元本) | 720万円 | 720万円 |
| 解約返戻金(運用結果) | 約1633万円 | 約1949万円 |
*NISAでつみたて投資をした場合の運用費用は考慮していない。
*変額保険は保険会社の商品の一つを参考にしたもので、保障内容などで運用結果は変わる。
以上の結果から、保障より運用効果を重視したい人はNISAで積立投資をするのがおすすめです。
3:変額保険とNISAを利用した積立投資では税金面で違いがある
変額保険とNISAを利用した積立投資では、税金面で違いがあります。
以下で、『①支払時(積立)』と『②受取時』に分けてみてみます。
▼税金面での違い
| 変額保険 | NISAでの積立 | |
| 支払時(積立) | 生命保険料控除あり | 生命保険料控除なし |
| 受取時 | 課税 | 非課税 |
3−1:変額保険は支払時に生命保険料控除が認められるのでお得
変額保険は保険料の支払時に税金がお得になります。
保険料の支払いに応じて、一定額の生命保険料控除が認められるからです。
変額保険には一般の生命保険料控除が適用されるため、保険料の支払いに応じて決まった額を所得から差し引くことができます。
勤務先に控除証明を提出することにより、年末調整でお金がいくらか返ってきたり、住民税が安くなります。
例えば、年収500万円の人で所得税と住民税を合わせて毎年6800円お得となる計算です(*)。
これに対して、NISAで積立投資をしても生命保険料控除は認められません。
*
年8万円以上の保険料支払いで最大4万円の所得控除が認められる場合を想定。
また、所得税10%・住民税10%として、固定して計算。
3−2:NISAを利用した積立投資では受取時に非課税となりお得
NISAで積立投資をする場合、受取時に利益があっても税金がかからずお得です。
NISAは売却益に対して非課税の口座だからです。
NISA口座で積立していた投資信託を、売却して受け取る時に100万円の利益がでていたとしても税金はかかりません。
これに対して、変額保険を解約して受け取る場合は一時所得となり、利益がでていれば原則として課税されます。
例えば、年収500万円の人が変額保険を解約して100万円の利益が出ている場合、所得税と住民税合わせて5万円の税金がかかります(*)。
*
年収により、所得税率は変わります(年収が高くなると税率は上がる)。
なお、変額保険の解約返戻金は、利益が50万円以内なら課税されません。
(参考)一時所得の計算式:(利益-50万円)× 1/2
変額保険の保険金を受け取る場合の税金
変額保険の保険金を受け取る場合の税金は以下になります。
- 死亡保険金 → 相続税(*)
- 高度障害保険金 → 非課税
- 介護、就労不能保険金 → 非課税
- 三大疾病保険金 → 非課税
死亡保険金の相続税についても非課税枠(500万円×法定相続人の数)があるので、保険で受け取る場合は税金面ではお得といえるでしょう。
※死亡保険金については、契約形態(契約者、被保険者、死亡保険金受取人が誰か)によっては税金が変わります。
- 契約者:夫、被保険者:夫、受取人:妻
→ 相続税 - 契約者:夫、被保険者:妻、受取人:夫
→ 所得税 - 契約者:夫、被保険者:妻、受取人:子
→ 贈与税
4:変額保険とNISAを利用した積立投資では使い勝手に違いがある
変額保険とNISAを利用した積立投資では、使い勝手に違いがあります。
以下の3つの点についてみていきます。
- お金の引き出し
- 保険料(積立額)の変更
- 貯まったお金の運用先の変更
| 変額保険 | NISAでの積立 | |
| お金の引き出し | 引き出しにくい | 引き出しやすい |
| 保険料(積立額)の変更 | 変更しにくい | 変更しやすい |
| 運用先の変更 | 変更しやすい | 変更しにくい |
4−1:NISAで積立したお金は引き出ししやすい
NISAで積立したお金は引き出ししやすいです。
いつでも投資信託の全部または一部を売却して出金できるからです。
NISAには投資期間による引き出し制限はなく、お金が必要になった時には全部または一部を売却して出金できるし、基本的に費用も掛かりません(*)。
*投資信託の銘柄によって、0.2%〜0.3%の費用がかかる場合があります(信託財産留保額)。
これに対して、変額保険も支払い途中で解約(または減額)してお金を戻してもらうことはできます。
しかし、途中で解約した場合には保険に関する費用がかかるため、運用成績にもよりますが、返戻金は支払金額を下回ることも多いので注意が必要です。
変額保険には解約しなくても保険金の一部を引き出しできる商品もある
変額保険には解約しなくても保険金の一部を引き出しできる商品もあります。
具体的には、変額保険の運用成績がよいときに、増えた死亡保険金の一部を引き出しできるというものです。
なので、お金が引き出しにくいという変額保険のデメリットが気になる人は、このタイプのものを検討するとよいでしょう。
4−2:NISAで積立する金額は変更しやすい
NISAで積立投資する場合、積立額を変更しやすいです。
NISAでは自由に積立金額を増やしたり、減らしたりできるため、ライフプランの変更にも対応しやすいです。
これに対して、変額保険は保険料を減らすことはできますが、増やすことはできません。
なお、保険料を途中で減らすと一部解約となり一部お金が戻ってきますが、前述した通り、支払に対して少なくなる場合も多く注意が必要です。
NISAはいつでも積立を止めたり再開できる
NISAはいつでも積立を止めたり再開もできます。
これに対して、変額保険は保険料の支払いを止めることはできますが、加入から10年以内では一般的には解約控除という費用がかかります。
また、支払いを止めるとそれまであった保障面でのメリットも失われます。
なので、支払いを止める方がよいか慎重な判断が必要となります。
なお、変額保険はいったん支払いを止めると再開はできません。
4−3:変額保険は貯まったお金の運用先を変更しやすい
変額保険は貯まったお金の運用先を変更しやすいです。
いつでも積立金の移転(スイッチング)ができるからです。
変額保険はラインナップされた運用先(投資信託など)のあいだで積立金を移転できるため、積み立てで貯まったお金の運用先を容易に変更できます。

これに対して、NISAで積立した投資信託を別の投資信託に変更する場合は、いったん積み立てたお金を売却して、新たな投資信託を買付する必要があります。
その際に、投資信託の買付手数料がかかる場合もあるため注意が必要です(*)。
(*NISA口座を開設した金融機関によって異なる。)
なお、これまでNISAで積み立てた投資信託は売却せずにそのまま運用を続けながら、これから積立をする投資信託を変更するのは容易にできます。
5:まとめ
変額保険とNISAを利用した積立投資のいちばんの違いは保障(保険の機能)があるかどうかです。
将来のための資産形成と保険の機能を同時に実現できる点に魅力を感じる人は変額保険がおすすめです。
他方、資産運用の効果を高めたい場合は保険の費用がかからないNISAでの積立がよいでしょう。
また、変額保険とNISAを同時に行うこともできます。
それぞれの違いを理解して、いずれかまたは両方で資産運用を始めてみてください。
自分にどちらが向いているかや投資信託の詳しい銘柄選択など、詳しくはFPに相談してみることをおすすめします。
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