
「お金があれば、幸せになれるの?」
「お金さえあれば幸せになれるのに」
そんなふうに、お金を、”全ての問題を解決するもの”のようにとらえる人は少なくありません。
確かに、お金があれば、選択肢が増えます。
我慢することも減りますし、欲しかったものを手に入れた瞬間、うれしさを感じることもできるでしょう。
誰かを喜ばせることだってできます。
ですが、お金があること=幸せになること、なのでしょうか。
この記事では、お金と幸せの関係について、心理学や研究結果をもとにお伝えしていきます。
この記事でわかること
- お金の本質
- お金があるほど幸せになれるのか
- 本当のしあわせとは何か
お金の本質
お金は物質であり、物や時間と交換するツールです。
お金そのものに、人を幸せにする力があるわけではありません。
お金に意味やパワーを与えるのは、わたしたち人間です。
つまり、お金で幸せになるか、不幸になるかは、わたしたちの扱い方次第なのです。
1:お金と幸せの関係(幸福度の研究について)
お金と幸せの関係は「比例し続ける関係」ではありません。
ノーベル賞を受賞したプリンストン大学のアンガス・ディートン教授らの研究によると、年収と幸福度には一定の関係があることがわかっています。
具体的には、年収がおよそ800万円までは収入が上がるにつれて幸福度も上昇する。
しかし、それを超えたあたりから、年収が幸福に与える影響は緩やかになるとされています。
例えば、より多くのお金を稼ぐために仕事の時間が増えると、
- 友人と遊ぶ時間が減る
- 家族との関わる時間が少なくなる
- 自分の時間が無くなる
- 心に余裕がなくなる
こうしたことが起こりがちです。
人とのつながりや生きる喜びを感じる時間が減ってしまうと、収入が増えても幸せだと感じにくくなってしまいます。
だからこそ、お金と幸せの関係は「比例し続ける関係」ではないのです。
2:お金だけで幸せは満たされない(マズローの5段階欲求)
心理学者マズローは、人間の欲求を5段階で説明しました。
『マズローの欲求階層説』とは、人間には欲求階層があり 「人は、満たされた欲求の次の段階へと進み、自己実現へ向かっていく」とされています。

- 生理的欲求:食欲、睡眠欲など、生きるために必要な欲求
- 安全欲求:健康、住居・安定した生活を求める欲求
- 社会的欲求:愛情や所属、他人とのつながりの欲求
- 承認欲求:人から認められたい、自分には価値があると感じたい欲求
- 自己実現欲求:自分らしく生き、可能性を発揮したい欲求
例えば、このうち1と2は、ある程度、お金で満たすことが出来ます。
多くの人が、安心して暮らせる住まいや温かい食事のために一生懸命働いていますよね。
ですが、3以降の欲求である、愛情やつながり、承認、そして自己実現は、 人との関係や「自分らしく生きている」という実感によって満たされるものです。
一方で、年収800万円程度までは幸福度が上がるという研究結果もあります。
そのため、ある程度の年収までは、お金と幸せに一定の関係があるとも言えるでしょう。
けれども、収入が増えることと、 「自分が幸せだと感じられること」は、必ずしも同じではありません。
だからこそ大切なのは、 自分は「どんな人生を幸せと感じるのか」を知ることが、とても大切になってきます。
3:お金で幸せになれる人、お金では幸せにはなれない人
お金によって幸せを感じやすい人もいれば、十分にお金があっても満たされない人もいます。
その違いは、お金の量ではなく、「時間の使い方」と「人生の優先順位」にあります。
そしてもうひとつ、「何のためにお金を使っているか」も大きく関係しています。
ここでは、『お金で幸せになれる人』、『お金では幸せにはなれない人』それぞれの特徴を見ていきましょう。
3−1:お金で幸せになれる人
以下のような方は、お金を「人生を豊かにするための手段」として使えています。
- お金を使い、休日やプライベートの時間を充実させている
- 家族やパートナーとの時間をお金を使い、豊かに楽しめている
- 旅行や食事など「体験」することを楽しんでいる
- お金によって選択肢が増えている実感がある
ただ稼ぐだけでなく、
- 誰と過ごすか
- どんな時間を過ごすか
- どんな人生にしたいか
を意識しているため、 お金が「幸せを広げる力」として機能しているのです。
3−2:お金では幸せになれない人
お金があっても、幸せを感じにくい人がいます。
それは、 お金を得ることと引き換えに、自分の時間や人生を削り続けている人です。
なぜなら、人が幸福を感じるのは、 お金そのものではなく、時間の使い方や人とのつながりの中だからです。
たとえば、
- 仕事を優先しすぎて、プライベートの時間がほとんどない
- 「今は頑張りどき」と思いながら、休むことを後回しにしている
- 気づけば、誰かとゆっくり過ごす時間がほとんどない
- 収入は増えているのに、満たされている実感があまりない
このような状態では、 収入が増えても「幸せだ」と感じにくくなっていきます。
どれだけ稼いでも、
- ゆっくり食事をする時間がない
- 大切な人と過ごす余裕がない
- 自分が何をしたいのか分からなくなっている
そんな状態が続けば、 人生の満足感は少しずつ下がっていきます。
だからこそ大切なのは、 「もっと稼ぐこと」だけではなく、 そのお金で、どんな時間を生きたいのかを考えることです。
4:自分にとっての幸せと、お金の関係を考えよう
まずは、自分にとっての幸せについて考えてみましょう。
なぜなら、幸福の感じ方は人によってまったく違うからです。
例えば、あなたはどんなことに幸せを感じますか?
- 高年収で仕事が出来る人と見られること
- ステータスを楽しむこと
- 好きなだけ海外旅行に行くこと
- 恋人や家族との時間をもつこと
- 趣味に没頭する時間がある
- 気心知れた仲間に囲まれる安心感
人よりも稼いで一目置かれる存在になりたいという人もいれば、 競争よりも、誰かと並んで歩く安心感を大切にしたい人もいます。
どちらが正しい、という事はありません。
ただひとつ大切なのは、自分が何に幸せを感じるのかを、自分が知っていることです。
お金は、その幸せを叶えるための手段になります。
けれど、自分が何を幸せと感じるのかが曖昧なままだと、 いくら稼いでも、どこか満たされない感覚が残ってしまいます。
だから、自分がどのようなことに幸せを感じるのかを知る必要があるのです。
お金は幸せをかなえるための手段
お金は幸せを叶えるための手段です。
「頑張っているのに満たされない」と感じている人ほど、 気づかないうちに、“自分の人生を後回しにしている”ことがあります。
特に、仕事を一生懸命頑張ってきた方ほど、
- どこまで頑張ればいいのか分からない
- 気づけば仕事が人生の中心になっている
- 立ち止まることに不安を感じる
そんな状態になりやすいのです。
でも本来、お金は「人生の目的」ではなく、 「自分の望む人生を実現するための手段」です。
だからこそ一度、
- 自分はどんな時間を大切にしたいのか
- 誰と、どんな関係を築いていきたいのか
- どんな一日を「いい一日だった」と感じるのか
そんな視点で、自分の幸せを見つめてみてください。
あなたにとって、 幸せは「いくら稼ぐこと」でしょうか。
それとも、 「どんな時間を生きること」でしょうか。
まとめ
お金は、 幸せを広げる道具にもなれば、不安を隠す道具にもなります。
その違いは、 「どれだけ持っているか」ではなく、 どんな心の状態で使っているかにあるのです。
お金そのものが幸せを連れてきてくれるわけではありません。
お金は、人を豊かにするための手段です。
だからこそ、その道具を使って、誰とどんな時間を過ごしたいのか、 どんな一日を過ごし、「いい一日だった」と感じたいのか。
そこに目を向けた時に、ほんとうの自分の幸せが少しずつ見えてくるのかもしれません。
お金ではなく、あなたの生き方が、あなたを幸せにするのです。