
「こどもNISAが始まると聞きました。ジュニアNISAとの違いはありますか?」
こどもNISAは開始が正式に決定し、2027年1月のスタートを目指して準備が進められています。
基本的な仕組みはジュニアNISAと共通していますが、一部変更となる部分があります。
主な変更点は、次の4つです。
- 投資できる金額が400万円から600万円に増えた
- 非課税で運用できる期間が5年から無期限になった
- 途中売却が全額売却のみから、一部売却もできるようになった
- 購入できる商品が株式や投資信託から一部の投資信託に変更になった
(なお、ジュニアNISAはすでに新規受付が終了しており、これから始める場合は、こどもNISAを利用することになります。)
この記事では、ジュニアNISAとの違いと比較しながら、ジュニアNISAからの切り替え判断や、ジュニアNISAのまま継続すべきケースなどについても解説します。
この記事で分かること
- こどもNISAとジュニアNISAの違い
- ジュニアNISAからこどもNISAへの切り替え判断
- ジュニアNISAのまま継続すべきケース
- こどもNISAを利用する場合の注意点
こどもNISAとは
こどもNISAは、0歳〜17歳を対象としたNISA制度です。子どもの将来に向けた資金を、長期で積み立てていくことを目的としています。口座は子ども名義で開設され、18歳までは親が管理・運用を行います。
1:こどもNISAとジュニアNISAの違いは4つ
こどもNISAとジュニアNISAの主な違いは4つあります。

(※)5年経過後に18歳未満の場合は最長18歳まで非課税での運用が可能
これらの違いについて、こどもNISAがジュニアNISAと比べてどのように変わったのかを具体的に見ていきましょう。
1−1:非課税投資枠が【最大400万円 → 600万円】に拡大
非課税で投資できる金額が、最大400万円から600万円に増えます。
ただし、年間の投資額は60万円までかつ、積立投資限定となる点に注意が必要です。
そのため、18歳までにいくら投資できるかは、お子様の年齢によって変わります。
8歳以下のお子様の場合
18歳までの10年間、年60万円の積立を続けることで、拡大後の満額600万円をすべて非課税で投資することができます。
14歳のお子様の場合
18歳までの4年間で計240万円の投資となるため、こどもNISAの枠をすべて使い切れるわけではありません。
また、18歳以降は「成人NISA」の枠でそのまま非課税投資を続けられます。
早く始めた方がこどもNISAで運用できる金額が大きくなりますね。
1−2:非課税期間が【5年 → 無期限】に延長
非課税で運用できる期間が、5年から無期限になります。
ジュニアNISAの非課税期間は原則5年間でした。
(※5年経過時に18歳未満の場合は、最長18歳まで非課税運用が可能)
こどもNISAでは18歳までの非課税運用後、成人NISA口座へ引き継がれます。
売却しない限り、非課税での運用を生涯継続できます。
非課税期間が無期限になったことで、使いたいタイミングまで非課税での運用を続けられるようになりました。
18歳以降も成人NISAへ引き継がれるため、18歳を待たずに早い時期から始めても長期的に活用できる制度になっています。
1−3:一部売却が【不可 → 12歳以降可能】に
12歳以降であれば、必要な金額だけ一部売却ができるようになります。
ジュニアNISAでは一部売却はできず、売却する場合は全額売却と口座閉鎖が必要でした。
こどもNISAでは必要な分のみ売却し、残りを継続運用できます。
(※売却には子どもの同意が必要になる予定です。)
一部売却が可能になったことで学費など必要な分だけ使い、残りは将来に向けて運用を続けることもできます。
教育資金に使用しなかった分は成人NISAで引き続き将来に向けて運用が可能です。
1−4:購入商品が【個別株式・投資信託 → 一部の投資信託】へ変更
こどもNISAで購入できる商品は、金融庁の基準を満たした一部の投資信託のみになります。
ジュニアNISAでは、個別株式とすべての投資信託が対象でした。
こどもNISAでは、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託が対象となります。
そのため、ジュニアNISAで購入できた商品が、こどもNISAでは買えないことがあります。
商品数は絞られていますが、長期的な資産形成に向いた投資信託に限定されています。
子どもの将来のための資金づくりと考えると、単なる制限というよりも、より目的に合った形への変更といえるでしょう。
ここまでが主な違い内容です。
次に、現在のジュニアNISAをそのまま継続するのか、こどもNISAへ切り替えるのかについて整理します。
2:ジュニアNISAからこどもNISAへの切り替え判断は総合的に考える
ジュニアNISAからこどもNISAへの切り替えは、複数の要素を踏まえて総合的に判断しましょう。
なぜなら、切り替えが常に有利とは限らないからです。
例えば以下のような判断要素があります。

なお、上記の要素はそれぞれ単独で結論が決まるものではありません。
たとえば「残り期間は短いが資産額が大きい」など、複数の要素が混在するケースも多くあります。
そのため、切り替えは一つの要素だけで決めるのではなく、複数の要素を踏まえて総合的に判断することが大切です。
ジュニアNISAからこどもNISAへの移管や併用はまだ未定
現時点では、ジュニアNISAからこどもNISAへの移管や併用の正式な扱いは確定していません。
これまでの制度設計を踏まえると、両制度は別制度として扱われる可能性が高いと考えられます。
その場合、想定される取り扱いは次のとおりです。
- ジュニアNISAの資産を、そのままこどもNISAへ移すことはできない可能性が高い
- ジュニアNISAとこどもNISAは併用できる可能性がある
最終的な取り扱いは今後の正式発表を確認してください。
3:ジュニアNISAのまま継続すべき2つのケース
前章で見たように切り替えは総合的に判断しますが、その中でも継続が有力なケースが2つあります。
3-1:①ジュニアNISAの資産額が600万円以上ある
ジュニアNISAの資産額が600万円以上ある場合は継続を検討しましょう。
こどもNISAの非課税投資枠は最大600万円です。
すでにそれを超える資産を運用している場合、切り替えると全額を非課税で運用することができません。
3−2:②ジュニアNISAと同じ商品を継続していきたい
ジュニアNISAと同じ商品を継続していきたい場合は、そのままジュニアNISAを継続しましょう。
こどもNISAでは、購入できる商品が一部の投資信託に限定されます。
現在保有している商品が『株式や、こどもNISA対象外の投資信託』の場合、こどもNISAではこの商品に投資することができません。
これらに当てはまる場合は、ジュニアNISAで継続することがおすすめです。
上記に該当しない場合は総合的に判断する
上記に該当しない場合は、前章で整理した視点を踏まえて総合的に判断します。
迷う場合はFPに相談することもおすすめです。
ここまでが、切り替えを検討する際の判断ポイントです。
続いて、こどもNISAを利用する場合の注意点を確認します。
4:こどもNISAを利用する場合の注意点2つ
こどもNISAを利用する場合の注意点は2つあります。
- 売却には「子供の同意」が必要
- 18歳になると親が口座を管理することはできなくなる
一つずつ具体的にみていきましょう。
4−1:売却には子供の同意が必要
こどもNISAでは、売却の際に『子供の同意』が必要になります。
現在決まっている内容では、以下の書面を金融機関に提出することで売却が可能になります。
- 資金の使途が子のためのものであり、子が払出しに同意したことを示す書面
- 親権者等(口座管理者)の申出書
このように、こどもNISAでは売却時に子供の同意が必要となります。
親による使い込み防止や、将来「知らないうちに売られていた」という親子トラブルを防ぐ目的もあります。
こどもNISAで運用する資産は「子供のために使うお金」で行うのがよいでしょう。
4−2:18歳になると親が口座の管理をすることはできなくなる
18歳になると親は口座の管理をすることが基本的にできなくなります。
18歳で成人となり、口座の管理権限が子供本人に移るからです。
18歳以降、親は次のようなことができなくなります。
- 親の判断で売却・買い付け・積立額の変更を行うこと
- 親のIDから子供の口座にログインすること
- ログイン時の2段階認証コードを親のメールアドレスやSMSで受け取ること(※)
(※2段階認証等は子ども本人のメールアドレスに登録し直されるため、親が裏から操作することはできません。)
お子様が18歳を迎えるまでに、管理方法や運用内容について共有をしておきましょう。
5:まとめ
ジュニアNISAとこどもNISAは、非課税枠や投資方法などにいくつかの違いがあります。
現在ジュニアNISAを利用している場合は、その違いを理解したうえで、継続するか切り替えるかを判断することが大切です。
商品、資産額、使う時期など複数の要素を踏まえて、総合的に考えましょう。
判断に迷う場合は、FPなど専門家に相談するのも一つの方法です。
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