「老後の住まい、どうしよう?」「ずっと賃貸のままで大丈夫かな?」このように将来の住まいについて、漠然とした不安を感じていませんか?
この記事では、老後も賃貸で暮らし続けるメリットやデメリットを解説しつつ、老後の賃貸生活で多くの方が抱える5つの不安とその対策までを詳しく掘り下げていきます。
この記事を読めば、老後の住まいに関する漠然とした不安が整理され、ご自身にとって最適な選択をするための道筋が見えてくるはずです。
安心して老後を迎えるための準備を始めていきましょう。
老後も賃貸で大丈夫?持ち家と比較するメリット・デメリット
老後の住まい選びは、将来の生活設計に関わる大きな問題です。ここでは、老後も賃貸で暮らし続けるメリットとデメリットを紹介します。
さらに、多くの方が比較検討する持ち家との違いも解説していくので、ご自身の考えをまとめるヒントにしてください。
老後も「賃貸」で暮らすメリット
老後も賃貸で暮らす一番の魅力は、その身軽さと柔軟性 です。持ち家と違い、大きなローンを組む必要がありません。ライフスタイルや健康状態の変化に合わせて住み替えやすいのが大きなメリットです。
例えば、子どもが独立したら小さな部屋へ、足腰が弱くなったらバリアフリーの整った場所へ、といった選択がしやすくなります。
また、建物の維持管理に関する手間や費用が少ないのも嬉しいポイント。外壁塗装や設備の修繕は基本的に大家さん側の負担ですし、持ち家にかかる固定資産税の支払いもありません。
老後も「賃貸」で暮らすデメリット
一方で、老後の賃貸暮らしで気をつけたい点もあります。一番の心配事は家賃が生涯発生し続けることでしょう。年金生活の中で、毎月の家賃負担が重くならないか、しっかり計画を立てる必要があります。
また、高齢になると新しい部屋を借りにくくなる可能性がある点も無視できません。家賃滞納や孤独死のリスクを懸念され、入居審査が厳しくなるケースがあります。保証人が見つかりにくいという問題も起こりがちです。
さらに、自由にリフォームができないため、手すりの設置などのバリアフリー化が難しい場合もあります。これらの点を理解し、対策を考えておくことが大切です。
「持ち家」との違いはここ!比較ポイント(コスト・自由度・資産価値)
賃貸と持ち家、どちらを選ぶか考えるうえで重要になるのが、「コスト」「自由度」「資産価値」 の3つの視点です。

これらの違いを踏まえ、ご自身の価値観に合うのはどちらかを検討してみてください。
気になる老後の住居費!賃貸と持ち家の生涯コストをシミュレーション
長く住み続けることを考えると、目先の家賃やローン返済額だけでなく、将来にわたってかかる費用全体(生涯コスト)で比較することが大切です。
ここでは、賃貸で暮らし続けた場合と、持ち家を購入した場合、それぞれ生涯でどれくらいの費用がかかるのか、具体的な費用の内訳と目安を見ていきましょう。
賃貸の場合:生涯でかかる費用の目安
賃貸で老後を過ごす場合の生涯コストをシミュレーションしてみましょう。
【前提条件】
- 65歳から85歳までの20年間、同じ賃貸住宅に住む
- 家賃:月8万円
- 管理費・共益費:なし (家賃に含むと仮定)
- 更新料:2年ごとに家賃1ヶ月分
- 火災保険料:2年ごとに1.5万円
- 保証料:考慮しない (保証人ありと仮定)
- 引越し費用:考慮しない
【試算結果】
- 家賃総額:8万円 × 12ヶ月 × 20年 = 1,920万円
- 更新料総額:8万円 × 10回 = 80万円
- 火災保険料総額:1.5万円 × 10回 = 15万円
- 生涯コスト合計(概算):1,920万円 + 80万円 + 15万円 = 2,015万円
賃貸に住み続けた場合の試算結果は、およそ2,015万円でした。ただし、この試算はあくまで一例です。家賃や住む期間、引越しの有無で金額は大きく変わります。
持ち家の場合:生涯でかかる費用の目安
持ち家で老後を過ごす場合の生涯コストもシミュレーションしてみましょう。ここでは、65歳時点で住宅ローンを完済していると仮定し、その後の維持費を考えます。
【前提条件】
- 65歳から85歳までの20年間、同じ持ち家(マンション)に住む
- 住宅ローン:完済済み
- 管理費・修繕積立金:月3万円
- 固定資産税・都市計画税:年12万円
- 火災保険料:考慮しない(ローン完済時に見直し・加入済みと仮定)
- 個別リフォーム費用:考慮しない
【試算結果】
- 管理費・修繕積立金総額:3万円 × 12ヶ月 × 20年 = 720万円
- 固定資産税・都市計画税総額:12万円 × 20年 = 240万円
- 65歳以降の生涯コスト合計(概算):720万円 + 240万円 = 960万円
持ち家に住み続けた場合の試算結果は、およそ960万円でした。これはローン完済後の維持費のみの試算であり、購入費用やローン返済額は含まれていません。
老後の賃貸生活「5つの不安」と具体的な対策
ここでは、多くの人が抱えがちな老後の賃貸生活における5つの不安を取り上げます。
- 家賃を払い続けられるか心配
- 高齢だと契約できない
- 保証人がいない
- 住み替え・引越しが大変
- バリアフリーじゃないと不便
それぞれの不安を和らげるための具体的な対策も一緒に見ていきましょう。
1.家賃を払い続けられるか心配
この不安を解消するには、まずは老後の「収入」と「支出」を具体的に把握することから始めましょう。「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で年金受給額の目安を確認し、退職金や貯蓄なども含めた総収入を予測します。
次に、現在の家計をもとに老後の生活費を見積もり、もし赤字になりそうなら早めの対策が必要です。
生活費の見直しや、可能な範囲での就労、NISAなどを活用した資産形成、家賃の安い物件への住み替えなどが有効です。
2.高齢だと契約できない
高齢だと家賃滞納などを心配され、審査が厳しくなりがちです。
審査に通りやすくするためには、家賃の支払い能力をしっかり示す必要があります。年金受給証明書や預貯金の残高証明書などを準備しておくと良いでしょう。
また、安定した収入のある親族に連帯保証人になってもらえれば、大家さんの安心感は増します。
3.保証人がいない
賃貸契約に必要な連帯保証人。頼める人がいなくて困る…という高齢者は少なくありません。そんな時に頼りになるのが家賃債務保証制度(家賃保証会社) です。
これは保証料を支払うことで、万が一家賃を滞納してしまった場合に、保証会社が代わりに大家さんへ立て替え払いをしてくれるサービスです。
保証会社を利用すれば、連帯保証人がいなくても部屋を借りられる可能性が高まります。利用には審査と保証料(契約時に家賃0.5〜1ヶ月分程度など)が必要ですが、保証人探しの悩みを解消できます。
4.住み替え・引越しが大変
年齢を重ねると、引越し作業そのものが体力的に大きな負担になります。だからこそ、老後の住み替えは早めに計画することが大切です。
将来どんな場所に住みたいか、どんな設備が必要か、希望条件を整理しておきましょう。病院やスーパーへのアクセス、エレベーターの有無、バリアフリー対応などをチェックすることをおすすめします。
5.バリアフリーじゃないと不便
将来、体の機能が低下した場合、一般の賃貸住宅では段差や狭い廊下が生活の妨げになることも考えられます。そんな不安に応えるのが、高齢者の暮らしやすさに配慮したシルバーハウジングとサービス付き高齢者向け住宅(サ高住) です。
シルバーハウジング は、自治体などが提供する公的な賃貸住宅。バリアフリー設計に加え、安否確認などの生活支援サービスが受けられます。
一方、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) は、民間事業者が運営するバリアフリーの賃貸住宅。安否確認や生活相談、食事や介護など多様なサービスを選べるのが特徴です。
あなたはどっち派?賃貸・持ち家 それぞれ向いている人の特徴
住まいの選択にどちらが正しいというものはありません。大切なのは、ご自身の価値観やライフプランに合ったほうを選ぶこと。
ここでは、賃貸、持ち家、それぞれどんなタイプの人に向いているかのヒントをまとめました。ご自身の考えを整理する参考にしてください。
老後に「賃貸」が向いているのはこんな人
変化に柔軟に対応したい、身軽さを大切にしたい。そんな方には、老後も賃貸暮らしが向いているかもしれません。
一番のポイントは住み替えのしやすさです。将来、転勤や移住の可能性がある方、子どもの独立などライフステージの変化に合わせて住まいを変えたい方には、賃貸のフットワークの軽さが魅力でしょう。
利便性の高い場所に住みたいけれど持ち家は予算的に難しい、という場合も賃貸なら実現できる可能性があります。
老後に「持ち家」が向いているのはこんな人
一つの場所に落ち着いて暮らしたい、自分の思い通りに家をカスタマイズしたい。そんな方には、持ち家がおすすめです。
最大の魅力は自由度の高さと資産性でしょう。間取りの変更やリフォーム、DIYを自由に楽しみたい方、庭いじりやペットとの暮らしを満喫したい方にとって、「自分の城」は大きな満足感を与えてくれます。
一つの場所に長く住み、地域との繋がりを深めたいという定住志向の強い方にとっても、持ち家は安心できる基盤となるでしょう。
まとめ
賃貸には住み替えのしやすさなどの魅力があり、持ち家には資産性や自由度の高さといった良さがあります。
どちらが正解というわけではなく、ご自身の価値観やライフプラン、経済状況に合った選択をすることが何よりも大切です。まずは将来の収支を試算してみることから始めてはいかがでしょうか。
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