オフィスの経費削減は、多くの企業にとって重要な課題です。中でも、印刷コストは大きな割合を占めており、頭を悩ませている担当者の方も多いのではないでしょうか?
本記事では、印刷コスト増大の主な要因を解明し、今すぐ実践できる具体的な削減ルールを7つ紹介します。
経費削減は、企業の利益向上だけでなく、環境保護にもつながります。ぜひ、本記事を参考にして、印刷コスト削減を実践していきましょう。
印刷コスト増大の主な要因とは?
印刷コストの増大は頭を悩ませる大きな問題のひとつです。その主な要因には、以下のようなものが挙げられます。
- 無駄な印刷
- カラー印刷の多用
- 不適切な印刷設定
- 古い機器の使用
- メンテナンス不足
これらの要因を理解し、適切に対策を講じることが重要です。
印刷コスト削減のための具体的なルール7選
先にも述べましたが、印刷コストを削減するには各要因に対して適切な対策が必要です。
ここでは、多くの企業で効果が実証されている7つの具体的なルールを紹介します。どれも今日から実践できるものばかりですので、ぜひ自社の状況に合わせて取り入れてみてください。
ルール1:両面印刷を標準設定にする
まずは両面印刷の標準化です。資料を印刷する際、両面印刷をデフォルト設定にしておけば用紙の使用量を最大半分に削減できます。
両面印刷の標準設定は、手軽に実践でき、大きな効果が期待できます。用紙コスト削減、保管スペース削減など多くのメリットがあり、環境問題への意識が高まる今、ぜひ取り組むべきルールのひとつです。
ルール2:カラー印刷は必要な場合のみ許可する

カラー印刷は資料で色分けが必要な場合など、本当に必要な時だけに限定すべきです。なぜなら、カラー印刷はモノクロ印刷に比べてインクやトナーを多く消費し、コストが高くなるからです。
社内資料など色分けの必要がない書類は、原則モノクロ印刷にしましょう。カラー印刷が必要な場合は、上長の承認を得るなどのルールを設けるのをおすすめします。
ルール3:印刷前にプレビューで確認する
印刷を実行する前に、必ずプレビュー画面で仕上がりを確認しましょう。そうすることで、ミスプリントや不要な印刷を削減できます。
よくあるミスプリントは、レイアウトの崩れや誤字脱字、必要なページ数などです。
文書作成ソフトやブラウザには、ほとんどの場合、プレビュー機能が備わっています。印刷前のプレビュー確認を習慣化して、印刷ミスによる無駄なコストを削減していきましょう。
ルール4:不要な資料の印刷を控える(ペーパーレス化の推進)

会議資料をデータで共有し、プロジェクターや共有画面で閲覧したり、各種申請や報告などを電子化したりすることで紙の資料を減らせます。
物理的な紙の消費をなくすことで、用紙代、インク代、プリンターのメンテナンス費用など、印刷にまつわる様々なコストの削減が可能です。
ペーパーレス化はコスト削減のみならず、情報共有の迅速化や業務効率の改善、環境保護の観点からも重要な取り組みと言えるでしょう。
ルール5:印刷枚数や頻度を制限する
部署や個人ごとに印刷枚数の上限を設けることで、本当に必要な印刷かどうかを考える意識が醸成され、コスト削減につながります。
例えば、営業部門は月間1,000枚、総務部門は月間500枚といったように部署ごとに上限を設けたり、個人別に印刷ログを確認し、印刷枚数の多い社員には個別に指導したりすることでコスト意識を高められます。
ルール6:環境に配慮した印刷を心がける
環境配慮型の用紙や再生紙などを積極的に使用しましょう。これらは、適切に管理された森林から伐採された木材や、使用済みの紙をリサイクルして作られており、環境負荷の低減に貢献します。
また、プリンターを省エネモードに設定し、使用しない時は電源を切ることも効果的です。環境に配慮した印刷は、企業のイメージアップにもつながります。
ルール7:定期的にプリンターや設定を見直す
印刷コストを継続的に削減するには、定期的なプリンターや設定の見直しが必要です。
例えば、古くなったプリンターを最新の省エネモデルに買い替えたり、印刷の濃さや両面・集約印刷の設定を業務内容に合わせて最適化したりすると良いでしょう。
プリンターや設定を定期的に見直すことで、常に最適な印刷環境を維持し、コスト削減効果を持続させられます。
印刷コスト削減ルールを社内に浸透させるための4つのポイント
印刷コスト削減のためのルールを設定しても、それが社内に浸透し、実践されなければ意味がありません。ここでは、ルールを効果的に社内に浸透させるための4つのポイントを紹介します。
- 明確でわかりやすいルールを設定する
- 社員への説明と理解を促す
- ルール遵守に対するインセンティブを設ける
- 定期的な効果測定とルールの見直しを行う
この4つのポイントを実践して、社内のコスト意識を高めていきましょう。
ポイント1:明確でわかりやすいルールを設定する
ルールを社内に浸透させるには、明確でわかりやすいルール設定が重要です。
ルールが曖昧だったり複雑だったりすると、社員はルールを理解できず、結果としてルールが遵守されません。
まずはルールを箇条書きにし、見える化しましょう。「無駄な印刷をしない」といった抽象的な表現ではなく、「会議資料は原則両面印刷にする」など、具体的かつ実践的な内容にするのがおすすめです。
ポイント2:社員への説明と理解を促す
社員がルールの目的やメリットを理解すると、ルールへの意識が高まり、積極的な取り組みが期待できます。
人は納得できないルールには従いにくいものです。しかし、そのルールが自分や組織にとって有益であると理解できれば、自発的に行動するようになります。
会議やミーティングの場を使い、ルールの内容や目的、期待される効果について丁寧に説明していきましょう。
ポイント3:ルール遵守に対するインセンティブを設ける
ルール遵守を促進するには、インセンティブの導入が効果的です。
例えば、印刷コスト削減に大きく貢献した社員や部署を定期的に表彰する制度を設けることで、社員のモチベーションを高められます。報奨金の支給や、人事評価への反映なども有効な施策のひとつです。
社員のモチベーションが高まれば、積極的な取り組みが期待できます。
ポイント4:定期的な効果測定とルールの見直しを行う
ルールを導入した後も、定期的な効果測定と見直しが必要です。
具体的には、ルール導入前後の印刷コストを比較し、削減効果を数値で把握。月ごとや四半期ごとに印刷枚数やコストを集計し、グラフなどで可視化します。効果が一目でわかるようになるので、改善の余地がある部分を特定しやすくなります。
導入したルールが現状に合わなくなったり、より効果的な方法が見つかったりしたら積極的に見直していきましょう。
まとめ
本記事では、印刷コスト削減のための具体的なルールとその重要性について解説しました。
しかし、ルールを設定するだけでは効果が期待できません。社員への説明と理解、インセンティブの設定、定期的な効果測定や見直しなどを通じて、ルールを社内に浸透させることが重要です。
本記事で紹介したルールやポイントを参考にして、印刷コスト削減に取り組んでみてください。小さな取り組みの積み重ねが、大きな成果につながります。まずは、できることから始めてみましょう。